オールオンフォー(All-on-4)は、失った歯を取り戻すことのできる先進的なインプラント治療の一つです。
しかし、原則として自由診療で保険適用外となることから、どれくらいの費用がかかるのか気になっている人もいるでしょう。
この記事では、オールオンフォー(All-on-4)の費用の目安、費用が歯科医院ごとに変わる原因、費用を抑える方法などについてご紹介します。
オールオンフォー(All-on-4)の費用の目安とは?
オールオンフォー(All-on-4)は、一般的な歯科医療という観点で見ると高額になりやすいですが、他のインプラント治療を比べると比較的低額です。
ここでは、オールオンフォー(All-on-4)の費用の目安について詳しく解説します。
従来のインプラント治療よりは安価
オールオンフォー(All-on-4)は、4本のインプラントで片顎全体の人工歯を支える治療法で、従来のインプラント治療よりは安価とされています。
厚生労働省「医療機関における自由診療に関する調査」によると、従来のインプラント治療では1本につき30万〜50万円かかり、10本以上必要なケースでは合計費用が500万円を超えることもあるとされています。
一方、オールオンフォー(All-on-4)はインプラントの本数が最少本数で済むため、総額で見ても200万〜400万円で済むことが多いです。少なくとも、従来のインプラント治療よりは安価です。
治療費は歯科医院によって異なるため、事前に見積もりを取得することが重要です。
相場自体は200~400万円と高価
オールオンフォー(All-on-4)の相場自体は、1顎で200〜400万円と一般的な金銭感覚で見ると高価です。
インプラント治療にかかる費用の内訳には、以下のようなものが含まれます(一部別料金)。
- インプラント体の費用
- CT検査にかかる費用
- 手術にかかる費用
- 人工歯の製作費用
- 通院にかかる費用
以上の費用は、一般的なオールオンフォー(All-on-4)の治療に含んで計算するのが一般的です。インプラント体や人工歯の費用だけで済むわけではないため、治療を受ける人は十分注意が必要となります。
なお、患者さまの骨の状態によっては移植・造成・補強が必要となり、さらに費用が変動することがあるため、具体的な費用については担当の歯科医師に相談しましょう。
費用は歯科医院ごとに変わる
オールオンフォー(All-on-4)は自由診療で保険適用外となるため、費用は歯科医院ごとに変わります。
使用する材料や設備、さらにはメンテナンスの内容によっても差が出るため、総額でどれくらいの費用がかかるのかを確認しておくことが重要です。
オールオンフォー(All-on-4)の費用が歯科医院ごとに変わる原因
オールオンフォー(All-on-4)は、同じ治療を行う場合でも歯科医院によって費用が変わることがあるため、変動する原因について知っておきたいところです。
ここでは、オールオンフォー(All-on-4)の費用が歯科医院ごとに変わる原因について詳しく解説します。
インプラントの材料費がメーカーで変わるため
インプラントの材料費がメーカーで変わることで、必然的にオールオンフォー(All-on-4)の費用も変わります。
例えば、日本でよく使用されているスイスのノーベル・バイオケア社のインプラントは、信頼性がある一方で相応のコストがかかるのが一般的です。
しかし、逆に比較的リーズナブルとされるあまり聞いたことがないメーカーのものだと、安定性や品質に影響が出る可能性もあるため、注意が必要となるでしょう。
歯科医院ごとに医療設備が異なるため
CT検査やCAD/CAMなどの医療設備の有無も、費用に影響を与える要因です。
これらの医療設備があることで治療の精度が向上し、よりスムーズな手術が期待できるわけですが、最新のものほど維持や導入にかかるコストがかかります。
オールオンフォー(All-on-4)の費用には、そうした治療費も反映されているといえるでしょう。
歯科医院ごとに立地が違うため
都市部や駅近の歯科医院は家賃や人件費がかかるため、郊外の歯科医院と比べてもコストが治療費に反映されやすい傾向にあります。
しかし、アクセス面や通院の利便性を考慮すると、費用差だけで判断するのはリスキーです。
通いやすいところでないと無駄に交通費がかかることになりかねないため、学校帰りや仕事帰りに立ち寄れるようなところを選ぶと良いでしょう。
専門医や認定医が限られるため
専門医や認定医が限られるのも、オールオンフォー(All-on-4)の費用が左右される原因の一つです。
オールオンフォー(All-on-4)を含むインプラント治療は、原則として専門医や認定医などスキルのある歯科医師の対応が求められるため、歯科医院によっては外部から招集している場合があります。
治療の質を保証するためには専門医や認定医の存在が欠かせませんが、その分報酬も必要となり、結果的に費用に反映されやすくなります。
一方、実績のある歯科医師が在籍するところほど、安定した治療を受けることが可能なため、慎重な判断が重要です。
オールオンフォー(All-on-4)の費用が高くなりにくい理由
オールオンフォー(All-on-4)は、自由診療で保険適用外となるため一般的な歯科医療と比べると費用が高額となりますが、インプラント治療と比較すると費用自体は高くなりにくいです。
ここでは、オールオンフォー(All-on-4)の費用が高くなりにくい理由について詳しく解説します。
顎の骨を有効に活用できるため
オールオンフォー(All-on-4)は、顎の骨を有効に活用できるため、一般的なインプラント治療よりは費用が高くなりにくい傾向にあります。
顎の骨が限られている人でも対応できるよう設計された治療法で、骨のある部分を活かしてインプラントを斜めに埋入するため、骨移植の必要がないケースも少なくありません。
実際、骨の造成や補強も不要なケースが多く、追加手術にかかる費用を一部削減可能です。
治療や通院の回数を抑えられるため
オールオンフォー(All-on-4)は、治療工程が効率化されており、一般的なインプラントと比べて通院回数が抑えられます。結果的に、治療や通院にかかるコストを抑えることが可能です。
もちろん、治療や通院の回数は患者さまだけでなく担当する歯科医師によっても変わってくるため、具体的な回数は人によって変わります。
しかし、長期間の治療が前提となる他のインプラント治療と比べると、オールオンフォー(All-on-4)は比較的短時間での治療が期待できるわけです。
骨に関する手術が原則必要ないため
オールオンフォー(All-on-4)は、骨に関する手術が原則必要ないため、一般的なインプラント治療と比べても費用を抑えられるとされています。
他のインプラント治療では、骨が不足している場合に骨移植や造成が必要となることがありますが、オールオンフォー(All-on-4)はほとんど不要です。
骨の手術は追加の期間と費用がかかるため、間接的なコスト抑制につながるでしょう。
埋入する本数が限られるため
オールオンフォー(All-on-4)は、1顎に4本と埋入する本数が限られています。
結果的に、必要となるインプラント体や人工歯の本数を削減でき、材料費も抑えられるわけです。歯科医院によっては、材料費が浮いた分を費用に反映することで総額を抑えているところもあります。
一方、口内環境が不健康で重度の歯周病や虫歯がある場合は、別途で治療費がかかることがあるため、注意が必要です。
オールオンフォー(All-on-4)の費用を安さだけで選ぶリスク
オールオンフォー(All-on-4)対応の歯科医院を、費用の安さだけで選ぶのはややリスキーです。
ここでは、オールオンフォー(All-on-4)の費用を安さだけで選ぶリスクについて詳しく解説します。
海外での手術を条件とする場合がある
一部の格安治療プランでは、海外での手術を条件とする場合があります。
オールオンフォー(All-on-4)に対応している歯科医院が限られている日本では、外国での治療を前提としているところもごくまれにあるといわれているため、注意が必要です。
医療制度や言葉の壁により、十分なアフターケアが受けられない可能性もあるため、慎重に検討しましょう。
知らないインプラントを使用される場合がある
歯科医院によっては、あまり知られていないメーカーのインプラントを使用することで費用を抑えているケースもあるため、要注意です。
知名度がない=質が悪いわけではありませんが、よくわからないメーカーのインプラントだと将来的に不具合が発生しても交換部品が手に入らないという事態が想定されます。
まずは、オールオンフォー(All-on-4)のようにある程度知名度があるメーカーのものを選びましょう。
総額がわかりにくく表記されている場合がある
安すぎるインプラントは、総額がわかりにくく表記されていることがあります。
広告やサイトでは〇〇万円からと記載されていても、実際には追加手術などのオプション費用が重なり、想定外の金額になることも珍しくありません。
ゆえに、自由診療で保険適用外のインプラント治療では、正確な見積もりが非常に重要です。
治療を受ける場合は、複数の歯科医院から見積もりを出してもらい、相見積もりを取るようにしておくと良いでしょう。
オールオンフォー(All-on-4)の費用を抑える方法
オールオンフォー(All-on-4)の費用は、工夫次第で一定まで抑えることが可能です。
ここでは、オールオンフォー(All-on-4)の費用を抑える方法について詳しく解説します。
医療費控除を申請する
オールオンフォー(All-on-4)の費用を抑えるには、医療費控除を申請すると良いです。
インプラント治療は、機能性や審美性の回復を目的にしていますが、咀嚼能力の改善も目的とされるため、条件を満たせば医療費控除の対象となる可能性があります。
国税庁「医療費控除の対象となる医療費」でも、以下の文言が記載されています。
- 医師または歯科医師による診療または治療の対価(ただし、健康診断の費用や医師等に対する謝礼金などは原則として含まれません。)
また、医師等による診療や治療を受けるために直接必要な義手・義足・松葉杖・補聴器の他、義歯や眼鏡などの購入費用に対しても医療費控除を申請することが可能です。
格安といった文言に踊らされない
格安といった文言には、踊らされないようにしましょう。
一見すると格安という文言は魅力的に映りますが、治療の内容や保証の有無をよく確認することを推奨します。場合によっては別途費用がかかることもあるため、見積もりを取ることが望ましいです。
クレジットカードで分割払いする
1回の支払いの負担を軽減したい場合は、クレジットカードで分割払いする方法があります。
最近では、クレジットカードによる分割払いに対応している歯科医院もあるため、無理なく支払えるプランを選択できないか、一度相談してみるのが良いでしょう。
デンタルローンで分割払いする
歯科治療専用のデンタルローンは、一般的なローンよりも金利が抑えられており審査も比較的スムーズなため、利用するのも手です。
場合によっては、複数の金融機関と提携している歯科医院もあるため、ローンを利用できるかどうか一度相談してみましょう。
複数の歯科医院を比較する
自由診療で保険適用外となるインプラント治療は、歯科医院ごとに費用が変わるため、複数の歯科医院を比較するのも良いでしょう。
初診相談やセカンドオピニオンを活用し、複数の歯科医院から見積もりを受けることで、相場が見えてきます。費用だけでなく、カウンセリングや説明が丁寧かどうかも見ておくとより安心です。
保険適用を打診する
オールオンフォー(All-on-4)を含むインプラント治療自体は自由診療であり、保険適用外となりますが、関連する検査や治療の一部は保険が適用されるケースがあるため、一度打診してみましょう。
保険の適用範囲について歯科医師に確認することで、一部の関連治療に保険が適用される可能性があります。
重度の口腔内疾患がある場合は、保険適用で治療してからインプラント治療に入ることも可能なため、オールオンフォー(All-on-4)の利用を含め一度相談しておくと安心です。
まとめ
オールオンフォー(All-on-4)は、高額な治療と思われやすいですが、従来のインプラントと比較して費用対効果が期待できる選択肢です。費用の相場は200万〜400万円ほどで、インプラントの種類だけでなく歯科医院によっても変わります。
しかし、費用だけに注目して選ぶと術後のトラブルや保証の不備などのリスクもあるため、治療内容やサポート体制まで含めて慎重に判断することが求められます。
費用に関しては、医療費控除や分割払いも視野に入れておくと安心です。
なお、名駅歯科クリニック・矯正歯科では、大学病院レベルの医療機器を採用しており、経験豊富な歯科医師が担当します。明確な費用説明と丁寧なカウンセリングを徹底し、患者さま一人ひとりに合ったオールオンフォー(All-on-4)治療を提供しています。
名古屋でオールオンフォー(All-on-4)をご検討中の方は、まずは当院にお問い合わせいただけると幸いです。