オールオンフォー(All-on-4)は、機能性や審美性の改善を目的としたインプラント治療法の一つです。
しかし、インプラント治療で顔の印象がどう変わるのか不安な方もおり、なかなか治療に踏み切れないこともあるでしょう。
この記事では、オールオンフォー(All-on-4)で顔は変わるか、顔が変わるといわれる理由、期待できる効果、対応医院の選び方、注意点についてご紹介します。
オールオンフォー(All-on-4)で顔は変わる?
オールオンフォー(All-on-4)は、インプラント治療において外見の印象改善につながる治療法です。
ここでは、オールオンフォー(All-on-4)で顔は変わるかについて詳しく解説します。
オールオンフォー(All-on-4)はインプラント治療の一つ
オールオンフォー(All-on-4)とは、片顎に4本のインプラントを埋入し、それらを支台としてフルブリッジの人工歯を固定する治療法です。
従来は、すべての欠損歯を補うために10本以上のインプラントが必要なケースもありましたが、オールオンフォー(All-on-4)では必要な本数を最小限に抑えることが可能です。
この治療法は、アメリカのノーベルバイオケア社により開発され、現在では世界各国で広く採用されています。
日本でも徐々に普及が進んでおり、特に限られた期間で機能性も審美性も改善したいというニーズに応えています。
顔の印象が変わることがある
オールオンフォー(All-on-4)で人工歯を装着すると、口元に適切な支えが戻り、顔の立体感や輪郭が整うようになるため、「顔が変わった」と感じる人が一定数います。
一般的に、歯を失うと噛む力が失われるだけでなく、顔全体の筋肉や骨格のバランスにも影響します。顎の骨が次第に痩せて唇や頬が内側に落ち込むようになり、老けた印象を与える場合がありますが、適切な治療での改善が可能です。
したがって、オールオンフォー(All-on-4)は「良い意味で顔の印象が変わる可能性がある」治療法となっています。
機能性・審美性からサポートできる
オールオンフォー(All-on-4)は、見た目を整えるだけではなく機能性や審美性からサポートできます。
咀嚼をはじめとした滑舌や発音の改善につながるため、結果的に日常生活の質(QOL)の向上が期待できるわけです。
噛む力が戻ることで栄養摂取も円滑になり、全身の健康にも良い影響を与える可能性があるでしょう。
また、人工歯のカラーやデザインは個人に合わせてカスタマイズできるため、自然な見た目を取り戻すことも可能です。美容医療を併用せずとも、顔の印象が変わる可能性があるため、選択肢の一つとして検討していただけます。
見た目が改善される
オールオンフォー(All-on-4)は、口元の見た目が改善されるのが大きな魅力です。
即日仮歯が装着でき、術後すぐに見た目が改善されるため、社会復帰や人前で話す機会がある方にとっては安心材料となり得ます。
特に長期間義歯に悩んでいた方にとっては、固定式の歯を得ることで精神的な安心感につながったという声もあります。見た目の変化が短期間で実感できる点も、他のインプラント治療との違いです。
オールオンフォー(All-on-4)で顔が変わるといわれる理由
オールオンフォー(All-on-4)で顔が変わるといわれる理由はいくつかあるため、治療を受けるかどうか決断する前に知っておきたいところです。
ここでは、オールオンフォー(All-on-4)で顔が変わるといわれる理由について詳しく解説します。
噛み合わせの変化によるもの
オールオンフォー(All-on-4)は、人工歯を理想的な位置に設計することで、噛み合わせが安定し、顔の対称性が整いやすくなるとされています。
本来、歯を失って噛み合わせが乱れると顎関節や咀嚼筋に負担がかかり、顔の左右バランスが崩れやすくなります。しかし、オールオンフォー(All-on-4)を使用すれば、正しい噛み合わせに戻ることで全体的なバランスが整いやすくなるのです。
結果的に、噛み合わせが正常に戻って顎の筋肉や骨格が均等に使用されるようになり、フェイスラインの左右差も軽減しやすくなるでしょう。
唇や頬の変化によるもの
オールオンフォー(All-on-4)により人工歯が適切な位置に設置されることで、口元の支持が回復し、唇や頬の膨らみが戻りやすくなるとされています。
結果的に、自然で立体的な輪郭を取り戻すことが可能です。
歯は、顔の外観を内側から支える柱のような存在であり、歯がなくなると唇が内側に落ち込むことで口角のシワやほうれい線が目立ちやすくなるため、適切な治療が必要です。
表情の変化によるもの
歯が失われると、笑顔を避けたり口元を隠して話したりと表情が硬くなりやすいですが、オールオンフォー(All-on-4)で自信を取り戻すと自然と表情も明るくなります。
人の第一印象は顔の表情で決まることが多く、表情の変化によって顔が変わったと感じる人も少なくありません。
人によっては知人や友人から、顔が変わった?といわれて気づくこともあるくらいです。
オールオンフォー(All-on-4)で期待できる効果
オールオンフォー(All-on-4)は、健康面や心理面でも期待できる効果があるため、あわせて知っておきたいところです。
ここでは、オールオンフォー(All-on-4)で期待できる効果について詳しく解説します。
笑顔に自信が持てるようになる
オールオンフォー(All-on-4)で歯が自然な仕上がりになると、笑顔に自信を持ちやすいです。
歯にコンプレックスがあると笑顔に自信が持てず、気づかないうちに精神的なストレスが蓄積されやすいですが、インプラント治療を行うことで自然と笑えるようになります。
口元が綺麗になることで、コンプレックスの解消にもつながるでしょう。
口元のたるみが目立ちにくくなる
オールオンフォー(All-on-4)で口元に適切な支持が戻ると、個人差はありますが、たるみが目立ちにくくなりやすいです。
単なる見た目の変化ではなく、構造的に顔の皮膚が内側から持ち上げられることで、シワやほうれい線も目立ちにくくなるとされています。
結果的に自然と笑顔になる機会が生まれ、自信が持てるようになるでしょう。
肌にハリが生まれる
オールオンフォー(All-on-4)だけの効果とは言い切れませんが、噛む動作が復活することで顎周辺の筋肉や骨格が活性化され、肌にハリを感じる人もいるとされています。
これは咀嚼の動作により血流が改善され、顔全体の新陳代謝が促されるためです。
もちろん、効果は人それぞれであるため具体的に顔の印象がどう変わるかは人によって千差万別ではありますが、治療の選択肢として検討する価値は十分にあるでしょう。
表情筋が鍛えられる
オールオンフォー(All-on-4)を取り入れると、自然と表情筋が動きやすくなり無理せず鍛えることが可能です。
会話で口角や頬を動かす機能が活性化されるようになり、年齢とともに失われやすい筋力が改善されることもあるとされています。
オールオンフォー(All-on-4)対応医院の選び方
オールオンフォー(All-on-4)によるインプラント治療を検討している場合、対応医院の選び方が重要です。
ここでは、オールオンフォー(All-on-4)対応医院の選び方について詳しく解説します。
アフターケアが丁寧か
インプラント治療は定期的なメンテナンスが欠かせないため、歯科医院はアフターケアが丁寧かを見て選ぶことが重要です。
通院体制や定期健診について明確に説明があるところは、比較的信用できます。
しかし、歯科医院によって独自の決まりが設けられている場合もあるため、複数の歯科医院を比較検討して選ぶようにしましょう。
カウンセリングや説明が適切か
インプラント治療はメリットもあればデメリットもあるため、歯科医院を選ぶ場合はカウンセリングや説明が適切かといった判断も求められます。
具体的には、治療の期間や費用、方針やリスクについての明確な説明が重要です。
なお、カウンセリングだけであれば無料で対応している歯科医院もあるため、まずは話を聞くという意味で予約してみるのが良いでしょう。
経験豊富な医師が在籍しているか
インプラント治療は、専門的な技術と知識が求められるため、経験豊富な医師が在籍しているかどうかも判断基準となります。
経歴や症例数はもちろん、所属学会など医師の専門性を事前に調べておくと安心です。
最新設備と保証制度があるか
インプラント治療は、口内環境について的確な診断が求められるため、最新設備と保証制度があるかどうかも一つの判断基準です。
CTスキャンや3Dシミュレーションソフトなど、専用機器があるかどうかを聞いておくとより安心できます。
無理な治療方針ではないか
オールオンフォー(All-on-4)は、全員に適応するインプラント治療ではないため、無理な治療方針ではないかを確認する必要もあるでしょう。
他の治療法との比較だけでなく、保存可能な歯の有無も含めて教えてくれる歯科医院を選ぶようにしましょう。
リスクヘッジは十分か
オールオンフォー(All-on-4)だけに目立ったリスクがあるわけではないですが、インプラント治療は歯周炎といった炎症を引き起こす可能性があるため、リスクヘッジも考えておきたいところです。
歯科医院を選ぶ場合は、感染症対策や術中術後のトラブル対策が適切かを判断しましょう。
医療全体の安全への取り組みは危険を避けるためにもとても重要なことといえるため、必ず確認することが求められます。
オールオンフォー(All-on-4)の注意点
オールオンフォー(All-on-4)を使用する場合、いくつか注意が必要です。
ここでは、オールオンフォー(All-on-4)の注意点について詳しく解説します。
対応医院が限られている
オールオンフォー(All-on-4)は、専門的な技術と知識に加えて高度な設備を要するため、全国的に対応している歯科医院は限られています。
近隣に対応できる歯科医院があるかについては、事前に調べることが重要です。
もし近隣にオールオンフォー(All-on-4)のインプラント治療に対応した歯科医院がない場合は、他の治療方法を試せるところがないか調べてみると良いでしょう。
抜歯が必要なケースがある
まれではありますが、残存歯がある場合でも治療設計に基づいて抜歯が必要となることがあるため、天然歯の保存にこだわりがある方は注意が必要です。
もちろん、歯医者の多くは天然歯を残す方向で治療計画を進めてくれることがほとんどですが、症例によっては少なくとも1〜2本ほど抜歯が必要となることもあります。
もし治療計画に疑問がある場合は、複数の医院でセカンドオピニオンを受けましょう。
骨の状態によっては治療不可
顎の骨吸収が進行していると、インプラントを埋入できない可能性があります。
骨吸収は、歯を失った部位の顎骨が歯がないことで刺激を受けなくなり、体が不要なものと判断して吸収してしまうことが主な原因です。
インプラント周囲炎や過度な力がかかることで促進されることもあるため、注意が必要となるでしょう。治療可能かどうかは、歯科医院に相談しましょう。
保険適応外で高額になる
オールオンフォー(All-on-4)は自由診療のため、治療費が全額自己負担となります。
どれくらいの予算が必要となるかは歯科医院によって変わりますが、数十〜数百万円単位でかかるのが一般的です。
しかし、トータルコストを考慮すると入れ歯よりも経済的との評価もあるため、今後のメンテナンスも含めて予算を考慮するのが良いでしょう。
メンテナンスが必須
インプラントは、プラークの蓄積で炎症を起こすインプラント周囲炎のリスクがあるため、毎日のメンテナンスが必須とされています。
丁寧なブラッシングはもちろん、必要に応じて保守点検が必要となるため、治療が終わってからも通院が必要です。
一見するとメンテナンスは手間ですが、適切に扱うことで寿命を延ばすことにもつながる可能性があるため、面倒だとしても管理は徹底しましょう。
リスクがある
オールオンフォー(All-on-4)などのインプラント治療は、外科的処置が必要となるため、どうしても痛みや腫れはもちろん感染や出血などのリスクがあります。
もちろん、こうしたリスクを回避するために精密な検査が行われているため、リスク自体はそれほど心配する必要はありません。
しかし、リスクを完全にゼロにすることは困難なため、十分なインフォームドコンセント(医師が患者に対して治療法などを説明すること)を受けるのが望ましいです。
疑問がある場合は、カウンセリングの段階で解消しておくのが良いでしょう。
まとめ
オールオンフォー(All-on-4)は、見た目の改善と機能の回復を両立できるインプラント治療です。
口元の印象が変わることから、顔が変わったといった声も聞かれます。
しかし、すべての方に適応できるわけではなく、顎の骨の状態や全身の健康状態などによっては他の治療法が適している場合もあるため、まずは専門の歯科医院で丁寧なカウンセリングと説明を受けることが重要となるでしょう。
なお、名古屋駅から徒歩すぐの名駅歯科クリニック・矯正歯科では、CTによる精密な診断、豊富な症例実績、患者さま一人ひとりに寄り添った治療提案を行っており、オールオンフォー(All-on-4)を含む各種インプラント治療に対応しています。
オールオンフォー(All-on-4)によるお口の健康が気になる方は、ぜひ一度名駅歯科クリニック・矯正歯科へご相談いただけると幸いです。