ゴムかけは、正しい咬合を手に入れるために欠かせない処置です。毎日鏡を見ても効果がなかなかわかりませんが、徐々に咬合を整えて機能性が高い状態へと向かっています。
とはいえ、早くゴムを外して理想の歯並びを手に入れたいと思うのは当然のことです。
そこで今回は、ゴムかけを早く終わらせるためのポイントについてお話しします。現在ゴムをつけて生活しており、ゴールが見えず不安に感じている方はぜひご覧ください。
装着時間を守る
ゴムかけは、基本的に患者さまご自身で行います。必要に応じて取り外しができる一方で、つけない期間が長くなると、それだけ期間が延びてしまいます。
マウスピース装置のように、食事や歯を磨くときは外していただいて結構です。しかしそれ以外の時間は、基本的につけておくようにしてください。
慣れるまでは違和感があるかもしれませんが、1~2週間程度で慣れてくるはずです。ワイヤーやマウスピース装置をつけたときも、違和感があったのは最初だけではないでしょうか?
自分に甘えてゴムをつけない時間が長くなると、それだけゴールが遠くなってしまいます。それだけでなく、期待した仕上がりを手に入れられなくなることもあるため注意してください。医師から指示された装着時間を守りましょう。
どうしても辛くなったときは、自己判断でやめるのではなく医師に相談することが大切です。
ルーチン化させる
特につけ始めの頃は、強い意識がなければサボったり忘れたりしがちです。普段はつけないモノですから、そうなるのも無理はありません。
だからといって、好きなときにだけ装着していては、期待した効果が見込めないでしょう。
着脱をルーチン化し、「食事が終わったらつける」「歯磨きが終わったらつける」と意識することが大切です。うっかり忘れることが多い方は、目の届くところへ置いたり家族に協力を仰いだりしましょう。慣れるまでが大変ですが、この生活を続けていれば忘れることはなくなるはずです。
ゴムをつけているかいないかでは、やはり後者の方が生活はしやすいと思います。しかし一度サボると、その後もつけないことが増えて仕上がりに影響する恐れがあります。
美しい歯並びを手に入れた自分の姿を想像し、強い意志を持って継続することが大切です。
期待通りの効果が得られない「根本的な原因」を探る
ゴムかけを行う期間は、人によってまちまちです。長いと1年以上かかることもあるでしょう。
そこで気にかけてほしいのが「歯が期待通りに移動しない根本的な原因」についてです。実は無意識で行っている「癖」が、歯の移動を阻害しているかもしれません。その代表的なものに「舌の癖」や「食いしばり癖」があります。例えば前歯のうしろ側に舌を押し付ける癖があると、いつまで経ってもゴムが外せないかもしれません。また食いしばり癖については、噛みしめることで歯に強い負担がかかり、移動するための力を弱くしている可能性があります。
これらは無意識で行われていることが多く、自分では意識してもなかなか気付けません。心当たりがある場合は、担当の医師に一度相談しましょう。また自覚がある場合は、意識的に改善させることが大切です。
注意点や押さえておきたいポイント
ゴムかけをルーチン化させ、長時間装着することで高い効果が見込めます。
そこで注意点や、押さえておきたいポイントを解説します。
正しい位置にゴムを引っかける
ゴムかけを行うにあたって、医師から装着の位置や方法の指導を受けるはずです。内容をよく理解し、正しい位置に装着しましょう。
誤ったところに長期間ゴムをかけ続けていると、ほかの歯が移動してしまい治療期間が延びる可能性があります。最短で終えるためにも、正しい位置に装着することが大切です。
途中で分からなくなった場合は、担当の医師に相談しましょう。
ゴムの使い捨てを徹底する
ゴムかけに用いるのは、基本的に使い捨てのゴムです。同じものを使い続けると、徐々に伸び縮みしなくなり期待した効果が得られなくなります。
交換は毎日行い、伸縮性が高い新品のゴムを使用しましょう。
安心してスムーズに歯並びを整えたい方へ
理想の歯並びを、1日でも早く手に入れたい。
きっとこれは、すべての患者さまが胸に抱いていることだと思います。
場合によってはゴムかけが必要となり、ゴールまでに少し時間がかかるかもしれません。しかしどのようなケースであっても、大切なのは信頼できる歯科医院で治療を行うということです。
仮に「安くて早い」がウリの歯科医院が近所にあったとします。もちろん安く治療できるに越したことはありませんが、その分、治療がずさんであれば思い通りの仕上がりにならない可能性があります。
これが信頼できる歯科医院であれば、たとえゴムかけを指示されても「自分にとって必要な処置なんだな」と、前向きにとらえて頑張れるのではないでしょうか。立地や費用だけでなく、カウンセリングを受けた上で慎重に歯科医院選びを行うことが大切です。
本記事では、ゴムかけを長引かせないためのポイントや注意点を解説しました。
ゴムかけは患者さまご自身で着脱をしなければならないため、ついサボりたくなることもあるでしょう。しかし毎日継続してつけることにより、見た目だけでなく機能面の改善が可能です。見た目ではなかなか変化がわからないケースが多いですが、強い意志を持ってゴムの装着をルーチン化しましょう。
また日頃の「癖」についても見直し、心当たりがあれば改善に向けた努力をすることが大切です。