今回も、前回と同じテーマを取り上げてお話しします。
歯の本数が通常より多いことによる影響や、治療法などを知りたい方はぜひ参考にしてくださいね!
ほかの歯に影響はある?
まずは本数が多いことで、ほかの歯にどのような影響があるのかについて説明します。
永久歯の萌出を邪魔される
余分に歯が生えてくると、本来萌出すべき永久歯が正常に出てこない可能性があります。
というのも永久歯は、乳歯が抜けてから3ヶ月程度で放出するのが基本です。過剰歯があると萌出の邪魔をされて、いつまで経っても生えてこないという事態に陥るでしょう。
過剰歯が顎骨の中に埋入されたまま成長すると、健康な永久歯の根元を溶かす可能性があります。最悪の場合、永久歯の組織が損傷を受けて神経が壊死するでしょう。
不正歯列につながる
過剰歯は前歯や奥歯に萌出することが多く、その影響で歯間に隙間が生じやすくなります。永久歯が本来萌出すべきスペースが、余分な歯で圧迫されて不正歯列につながるでしょう。永久歯が真っ直ぐに生えられないためです。
このような場合、余分な歯を早急に抜いて対処する必要があります。
痛みが出る
顎骨内に埋入している過剰歯が、歯の神経を圧迫して痛みにつながる恐れがあります。さらに永久歯の神経が損傷を受けて、壊死する可能性もあります。
そのような場合、永久歯の抜歯を余儀なくされるかもしれません。
「痛み=むし歯」と断定せず、顎骨内に歯が埋まっている可能性も疑って受診することが大切です。
治療法
続いては、余分な歯が生えた場合の治療についてお話しします。
様子を見る
例えば逆性である場合など、ほかの歯に悪影響を及ぼしていないときはそのまま様子を見ることになります。無理に抜歯を行うと、歯茎の切開などで患者さまの心身へ負担がかかってしまうためです。
ただし通常の歯と同じように萌出し、不正歯列につながる可能性があると判断されれば抜歯が必要になるかもしれません。
また顎骨内に埋もれていても、ほかの歯の神経を圧迫している場合、話は別です。定期的な通院で、経過観察を行いましょう。
抜歯
歯が萌出するための広さは、あらかじめ決まっています。余分な歯が生えることで、歯並びが乱れると判断された場合は抜歯が必要になるでしょう。永久歯の萌出が阻害されている場合も同様です。
できるだけ早めに対処することで、影響を最小限に留められますよ。
歯列矯正
例えば過剰歯が前歯に現れると、出っ歯の原因になります。そのような場合に歯列矯正を行っても、根本的な原因が解決されない限り整った歯並びにはなりません。
余分な歯を抜いたのち、矯正治療に着手する流れとなります。
また、成人を迎えたあとに過剰歯を除去する場合も同様です。放っておいた弊害で歯並びが乱れているはずなので、余分な歯を抜歯したのち歯列矯正を行うことになるでしょう。
子どもは早めの対処が重要!
子どもの過剰歯は、気付いた時点で早急に対処することがポイントです。
放っておくと最悪の場合、健康な歯を抜かなければならない事態に陥ります。永久歯が生えることを邪魔されて、不正歯列につながる可能性もあるでしょう。
さらに顎骨内へ埋まったまま時間が経つと、周囲の歯の神経を圧迫して痛みや壊死につながりかねません。
お子さまが何か症状を訴えた際は、ちょっとしたことであってもかかりつけ医で診てもらうようにしましょう。レントゲン撮影などを通じて、過剰歯の存在が発覚するかもしれません。
まとめ
過剰歯に馴染みのない方も多いかもしれませんが、実は30~40人に1人の割合で起こる現象です。
放っておくと周囲の歯列をガタガタにしたり、神経を圧迫してダメにしたりする恐れがあります。
鏡を見るだけでは気付けないこともあるので、少しでもおかしいと感じたら歯科医院を受診しましょう。日常生活に支障をきたさないからといって、放置しないよう注意してくださいね。