名駅歯科クリニック矯正歯科BLOG

2022.09.10更新

 インビザライン


インビザライン矯正には数々のメリットがありますが、装置を適切に取り扱わなければ期待した効果が得られません。
治療中は専用のマウスピース装置を、1日22時間以上と、ほぼつけっぱなしにしておく必要があります。
「じゃあ、ずっと歯にはめて過ごしたらいいのでは?」
と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、食事やブラッシングの際は取り外さなければなりません。
そのためブラッシング後に装着し忘れたまま寝たり、装置の着脱が面倒になったりしてしまうのです。
そこで今回は、装置を決められた時間つけないとどうなるのかについて、対処法とともに解説します。


装置の装着をサボるとどうなる?
インビザライン矯正における装置の装着時間は、1日22時間以上が理想です。最低でも、20時間以上はつけておかなければ十分な効果が見込めません。
しかし急な体調不良やうっかりの物忘れで、装着できないこともあるはずです。
ほんの数時間であれば特に問題ありませんが、それが毎日ともなると話は別です。
一体どのような影響があるのか、詳しく説明します。


1.装置が浮いてくる
装着を怠ると、次の装置へ交換したときに浮いてくる可能性があります。
1ミリ程度の浮きであれば、チューイー(丸くて弾力がある、ロール状のチューブ)を噛んでそのまま継続できます。しかし浮きが1ミリ以上になったり、1週間経っても同じ状況が続いたりする場合は問題です。
歯科医師に相談し、指示を仰ぎましょう。


2.治療期間が延びる
決められた装着時間を守らないと、歯が計画通りに移動しません。装置をつけていない間は歯に力がかからず、歯は一切動かないためです。
そうなると、当初の予定よりも治療期間が延びる可能性があります。
1日数時間でも装着を怠ると、計画通りに進まなくなる可能性があるので注意してください。


3.治療前より歯列が悪化する恐れがある
治療を行うにあたって、歯を並べるスペースが不足すると判断した場合は抜歯により確保します。
そのような場合に装置の装着を怠ると、抜歯をした両隣の歯が隙間に倒れる可能性があります。結果的に、治療前よりも歯並びが悪化してしまうのです。


後戻りの可能性はある?
整えた歯が、元の位置へ戻ろうとすることを「後戻り」といいます。
装置の装着を怠る一番のリスクは、後戻りといっても過言ではありません。
せっかく時間と費用をかけて歯並びを整えても、結局元の位置へ戻ってしまっては元も子もないですよね。
治療へのモチベーションが低下し、さらに治療が進まなくなる可能性もあります。
では、後戻りはどうして起こるのでしょうか。


まず知ってほしいのが、歯を動かす仕組みについてです。
歯に力が加わると歯槽骨の一部が溶けて、その部分へ歯が動いて再生されます。これを「骨のリモデリング」といい、骨のリモデリングを繰り返すことで歯の移動が完了するのです。
ただ、この一連の流れには時間がかかります。
そのため、骨が再生している最中に装置の装着を怠ると、歯が元の位置へ戻ろうとしてしまうのです。


少し難しい話だと感じたかもしれませんが、後戻りを防ぐためには何より「指示された通り装置をつけて過ごすこと」が大切です。
慣れるまでは違和感があるかもしれませんが、理想の歯並びを手に入れるために装着を徹底しましょう。

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2022.08.30更新

インプラント

前回は、金属アレルギーの基本的な内容を紹介しました。今回は、さらに深堀して解説します。
金属アレルギーは、いつどのタイミングで発症してもおかしくありません。現在はアレルギーをお持ちでない方も、知っておいて損はありませんよ。


4.金属アレルギーが起こる作用機序
金属アレルギーは「感作」と「誘発」の2つによって起こります。
まず感作とは、繰り返される刺激によって、それに対する反応が徐々に増大する非連合学習プロセスのことです。
イオン化した金属は体内のタンパク質と結びついて「金属タンパク複合体」になりますが、免疫細胞によってこれが異物と認識されます。金属タンパク複合体がまた侵入してきても、免疫細胞がすぐ攻撃できるように備えるというプロセスです。


感作された物質が体内へ再び侵入すると、過剰な免疫反応が起こって色々な症状を引き起こします。これを「誘発」と呼びます。感作された物質は、ほんの微量であっても強いアレルギー反応を起こす可能性を秘めています。
もちろん、すべての人が発症するわけではありません。体質や触れる金属の種類など、さまざまな条件により発症します。
金属製のアクセサリーをつけたまま運動をしている方や、金属に触れる機会が多い方は注意が必要です。
汗で金属イオンが溶け出しやすい金属ほど、発症しやすいことが明らかとなっています。


特に、ニッケル・クロム・コバルトは「三大原因金属」とも呼ばれる物質です。汗に入っている塩素イオンに反応してイオン化しやすい物質であるため、身体の中へ移行して発症しやすいのです。


5.治療後に何らかの症状が起こったら?
インプラントの治療後に何らかのアレルギー症状が起きた場合は、早急に歯科医師へ相談してください。パッチテストを受け、チタンが原因である場合はインプラントを取り除かなければなりません。
除去後は、金属を使用しない入れ歯やブリッジで再度治療する運びとなります。
治療期間や通院回数を増やさないためにも、不安な方は事前に検査を受けることをおすすめします。


6.適切な治療法
金属アレルギーの有無を調べるには、パッチテストが有効です。パッチテストでは、金属を染み込ませたフィルムを皮膚に貼付し、症状が出ないかどうかを確かめます。医療機関で受けられますが、まずはかかりつけ医に相談するのがよいでしょう。
一度感作された金属は、残念ながら体内へ取り入れることができません。ただ原因となる金属の種類が判明していれば、生活の中でその物質を避けることにより症状をコントロールできます。
アレルギー反応によって皮膚の炎症が生じた場合は、ステロイド外用剤を用いて症状を緩和させるのが一般的です。経過観察をしながら、ほかの方法で再度治療を受けることになるでしょう。


7.このようなケースに注意!
次のいずれかに該当する場合は、早急に医療機関を受診してください。


1.手のひら2~3枚分以上の広い範囲で皮膚症状が見られる場合
2.痛みやかゆみがひどく、水ぶくれができている場合
3.ステロイド外用剤を1週間使用しても症状が緩和されない場合や、一度落ち着いた症状が繰り返し再発する場合
4.めまいや吐き気、息苦しさが生じた場合
特に4番の症状は、アナフィラキシーショックを起こしている可能性があります。早急に医療機関を受診してください。
8.予防する方法はある?
金属アレルギーを予防するためには、特定の金属へ頻繁に触れないことが大切です。時計やメガネなどの肌へ直接つけるアイテムは、比較的安全なチタン製あるいはニッケル不使用の製品を選ぶとよいでしょう。
アクセサリーに関しても、メッキ製品ではなく純度が高い金やプラチナを選ぶのがおすすめです。
特にピアスは、体液へ金属が触れやすいため、医師の指示に従って着用することが大切です。ピアスホールが安定するまでは、チタン製のピアスなどを身につけるのがよいでしょう。
また、身につけるシーンも大きく関係します。
運動をする際や夏場の屋外など、汗をかきやすい場面では極力金属を身につけないよう注意してください。
なおインプラントだけでなく、入れ歯や詰め物が原因になる場合もあります。日頃から正しい口腔ケアを行い、むし歯にならないよう努めましょう。
そして金属アレルギーを発症した際は、原因となる金属を避けて生活することが重要です。医師の指示に従い、身のまわりの日用品や食品などに細心の注意を払って生活しましょう。

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2022.08.20更新

インプラント


何らかの理由で歯を失くした場合は、インプラントや入れ歯、ブリッジなどによる補綴治療が必要です。
インプラントの場合は、顎骨に「インプラント体」と呼ばれる人工歯根を埋入する外科手術を伴います。治療の安全面が心配な方もいるでしょう。
そこで今回は、インプラント治療における安全性について解説します。治療を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。


1.治療に用いる金属とは?
歯科治療が、金属アレルギーを起こす可能性があるという話を聞いたことはありませんか?
確かにニッケルや銅、パラジウムなどにはそのリスクがあります。
しかし、インプラントには「チタン」と呼ばれる金属が使用されることが大半です。チタンは人体になじみやすい性質があり、人工関節や心臓のペースメーカーの材料にも用いられています。
埋入しても、アレルギー症状を引き起こす可能性はほぼないといえるでしょう。


2.金属アレルギーの人でも治療は可能?
アレルギー体質の人は年々増加傾向にあり、金属アレルギーも例外ではありません。大人になってから、突然発症する場合もあります。
ただ金属アレルギーは、必ずしもすべての金属に起こるわけではありません。
先述した通り、チタンはアレルギー症状を起こしにくい金属の一つとされています。可能性はゼロとは言い切れませんが、チタンによって発症する心配はまずないと考えてよいでしょう。


3.起こりうる症状
基本的にアレルギーは、物質に触れたり体内に取り込んだりすることで起こります。
金属アレルギーの場合は皮膚に金属が触れることで、かぶれたり全身に何らかの症状が起きたりする場合がほとんどです。
皮膚のかぶれは、金属製のベルトのバックルやピアスなどのアクセサリー、金属が含まれる化粧品などをつけることで起こりうる症状です。金属が触れた部位に症状が出るのが一般的です。汗をかかない冬場や涼しい室内では症状が出にくく、夏場や運動後に生じやすいのが特徴です。


一方で、全身に症状が起こるケースは極めて稀です。金属を含む食品や歯科材料を、体内へ取り込むことで起こりうるからです。

歯科治療によるアレルギーの発症は、このケースに該当するでしょう。
いずれにせよ、原因物質を避ければアレルギーの発症は回避できます。
歯科治療に用いられるチタンでアレルギー症状を起こすケースは稀ですが、心配な場合は事前に医療機関でパッチテストを受けましょう。
金属アレルギーは時間が経過してから症状を起こす場合もあり、歯科治療が原因であれば、口腔内以外にも反応が出る恐れがあるため注意が必要です。


では、具体的にどのような症状が出るのでしょうか。


1. 口の周りに見られる症状
a.口の周りのただれや炎症
口の中にある金属は、常に唾液と触れ合います。そのため金属イオンとなって唾液中に溶け出し、タンパク質と結合して抗原となるでしょう。
その結果、口の周りの炎症や口内炎、口の粘膜が荒れるなどの症状が起こります。
また金属の下で、知らないうちに二次カリエス(むし歯)が起こることも懸念されるでしょう。


b.味覚異常が起こる
舌の表面にアレルギー反応が起こった場合、味覚異常をきたすことが稀にあります。


2.全身に見られる症状
a.掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
体内へ取り込んだ金属イオンが、タンパク質と結合して抗原となり、汗とともに皮膚から排出される際にアレルギー反応を起こすことがあります。中でも、汗をかきやすい足の裏や手のひらによく見られるのが「掌蹠膿疱症」です。症状として、水泡や膿の袋が生じることが特徴です。


b.湿疹・アトピー性皮膚炎
足の裏や手のひらだけでなく、全身の至るところに湿疹の症状が見られることがあります。
このように金属アレルギーは、原因物質が触れた部位以外でも症状が起こることがあります。原因が特定でいない限りは症状の緩和が難しく、苦しみ続けることも少なくありません。
チタンが原因で金属アレルギーを起こす可能性は極めて稀ですが、絶対にないとは言い切れません。


心配な方は、念のため事前に調べることをおすすめします。治療方法を迷っている方は、かかりつけ医に一度相談してみましょう。

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2022.08.10更新

舌


みなさんは、普段意識していない時に
ご自身の舌がどの位置にあるかご存知ですか?

 

日ごろ夢中になって本を読んだり、テレビを見ているときに口をポカンと開けて上下の歯の間に舌を出していたり、食べ物を飲みこむときに舌をつ き出し、歯を押しだす癖のことを舌癖といいます。
私たちは無意識のうちに1日600~2000回飲みこむ動作(嚥下えんげといいます)をしていますが、舌癖のある人は、いつも舌が下あごや上下の歯の間にあり、歯を押しだしています。
そして飲みこむときには、さらに押し出す強い力が歯に加わるのです。

 

また、いつも口を開けているため、舌が内側 から歯を押す力に対して、外側から押さえるくちびるやほほの筋肉に力がありません。
そのため、舌癖が原因で出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間が開いたり、上下の歯 がかみ合わない歯ならびになることが多いのです。

 

また、話をするときにその隙間に舌が入るため、サ行、タ行、ナ行、ラ行などが舌たらずな発音になることもあります。

 

舌の正しい位置はどこにあるのでしょうか?
上あごの前歯の後ろにポコッとしたふくらみがあります
その場所に、舌の先をとがらせてつけてください

そのとき、舌はどうなっていますか?舌は丸まっていませんか?
丸まっているのなら、舌の先に力を入れるようにしてください。
そして、その状態をキープしたままくちびるを閉じて、奥歯は軽くかむくらいにして下さい。
それが、リラックスしている時の舌の正しい位置です(この位置をスポットと呼びます)。
これをしばらくやり続けて舌が疲れてくる方は、舌が普段正しい位置にない可能性があります。また、全く舌がこの場所にいかない方も同様です。

 


舌が上あごの天井につきつつ、
舌先は前歯に触れないか、触れたとしても
 ほんの軽く触れるくらいの位置』が理想とされています。
(この時、上下の歯も離れていると良いです)

 

それに対して、

舌が上あごにつかず、低い位置にある場合、

(歯にもたれかかってしまっている)

常に歯に力が加わってしまいます。

その場合、舌に押されて歯が前に出てきてしまいます。

結果、歯並びに影響が出てきてしまいます。

 

 

舌癖の原因
1.口を開けて息をする鼻の病気(アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、蓄膿症など)
2.のどの病気(扁桃肥大、アデノイドなど)
3.舌の裏のひも(舌小帯)が短い
4.指しゃぷり(前歯に隙間ができ、舌が出やすい
などが挙げられます。

 


歯並びへの影響

●出っ歯(上顎前突)

・上あごの前歯が下あごの前歯よりも

 過剰に前に出ている状態。

・舌が低い位置にあるため、

 上あごが下方向に成長して下あごが後退したり、

 下唇を噛む癖などが関わることが多い。

 

●受け口(下顎前突)

・下あごの前歯が上あごの前歯よりも

 過剰に前に出ている状態。

・舌が前歯を押すほか、

 遺伝的な要因や口呼吸などが関係する。

 

●開咬

・奥歯を噛み合わせても、前歯が開いてしまう状態。

 唇が閉じにくく見た目が良くないだけでなく、

 奥歯に噛む力が集中するため、

 奥歯への負担が大きい。

・舌が前歯を押すほか、遺伝的な要因や

 指しゃぶり、口呼吸などが原因になる。

 

 

こうした舌の癖は、

矯正治療の妨げにもなります。

舌からかかる力のせいで、

装置を入れても想定したほど歯が動かなかったり、

治療が済んで装置を外した後に

後戻りを起こしてしまうことがあります

 


舌癖を治すための訓練、MFTとは?


正しくない舌の位置を大人になるまで放っておくと、改善を図るのは難しくなります(まったくできない、というわけではありませんが、治すのに時間が非常にかかる、ということです)。ですから、小さい子どものうちに、
1.正しい舌の位置を覚え、
2.正しい物の飲み込み方を覚え、
3.それを習慣化していくことが重要となるのです。
それをおこなっていく訓練がMTF(筋機能訓練)と呼ばれるものです。
月1~2回のペースで行っていき、月2回のペースだと大体6~8ヶ月程度で訓練は終了します(そのあとメンテナンスで3~6カ月ごとにみていきます)。
非常に地味で、ご本人の努力を要しますが、舌癖が原因で歯並びが悪くなっている方は、矯正装置をつけなくても歯並びが改善します。

 


近年では、

矯正治療に関する知識についても、

たくさんの方がお持ちでいらっしゃると思います。

歯並びは、遺伝的なものも多くありますが、

指しゃぶりや舌の位置、口呼吸など

後天的要素によっても変化してきます。

矯正治療する上でも、

その前に舌のトレーニングを行うなど、

後天的要素を無くしてから治療に入ることもあります。

 

 

 

まとめ

お口の中は、

人それぞれ、100人いたら、100通りのお口があります。

お一人お一人のお口の中をしっかり拝見させていただき、

お話しを伺って治療方針や矯正治療を行なっていきますので、

ぜひ色々なことを教えてくださいね!

また、きになることがある時も

お気軽にお尋ねください!

 

 

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2022.07.30更新

インビザライン


マウスピース装置を取り替える際に、つけ終わった装置をどうすべきか悩む方は多いはずです。装置には個人情報が含まれていることを考えると、そのまま処分をするのもためらわれるのではないでしょうか。
そこで今回は、使い終えたマウスピース装置の正しい取り扱い方法を解説します。

 


使用済みの装置は基本的に処分して構いません
インビザラインでは、定期的に装置の交換を行います。そのため、使い終わった装置が徐々に手元へ残っていくでしょう。
保管をしても構いませんが、使い終えた装置を再度使用することはありません。そのため、歯科医師からの指示がない限りは処分してよいでしょう。
治療前後の歯並びを比較したい、記念に取っておきたいという方は、清潔な状態で保管してください。

 


1つ前の使用済み装置は残しておくべき?
歯科医院によっては1つ前の使用済み装置のみ、予備として保管するよう指示されることがあります。
それには、次の理由が挙げられます。


1.後戻りを防ぐため
装着中のマウスピースが何らかの理由で変形・破損した場合、装置を作り直さなければなりません。しかし装置は海外で作製されるため、新たな装置が届くまでに1ヶ月近くかかります。
それまでの間、装置を外しておくと歯が後戻りする可能性があります。装置が届くまでの間は、1つ前の装置をつけて過ごすことになるでしょう。


2. 計画通りに治療が進まないとき使用するため
装置を交換したときに痛みが出る、あるいは歯が計画通りに移動しないといったトラブルが起こる可能性があります。原因として考えられるのは、1つ前の装置で歯の移動が計画通りにできていなかったことです。
そのまま治療を進めると、歯と装置がさらに合わなくなるリスクがあります。1つ前の装置を再度装着し、治療をやり直すことになるでしょう。


3. 出張中や旅行中に起こりうるトラブルへの対策のため
出張や旅行など、自宅から装置を持ち出すと紛失・破損のリスクが生じます。近くの歯科医院へ駆け込んでも、かかりつけ医でなければ手立てがない場合が多いでしょう。
予備のマウスピースを失くしたり壊したり際は、作り直した装置が届くまでの間、1つ前の装置をつけて生活することになります。外出の際に、持ち運ぶことをおすすめします。

 

 

使用済み装置の適切な保管方法
使い終えた装置を手元に残す場合、適切な方法で保管する必要があります。よく洗浄・乾燥させたのち、清潔なケースや袋に入れて保管しましょう。
濡れたまま、あるいは汚れたままで保管すると、カビやニオイが発生する恐れがあります。
使用済み装置は、次の方法で洗浄してください。


1.流水でよく洗う
まずは、流水で全体の汚れを落とします。お湯を使うと装置が変形する可能性があるため、ぬるま湯もしくは水で洗いましょう。


2.毛が柔らかい歯ブラシで汚れを取り除く
毛が柔らかい清潔な歯ブラシを使って、装置に付着した汚れを取り除きます。力を入れると傷がつくため、やさしく磨いてください。また、歯磨き粉の使用は厳禁です。含まれる研磨剤などによって、装置が傷つく可能性があるためです。頑固な汚れが落ちないときは、食器用の中性洗剤を薄めて汚れを落としましょう。最後に水でしっかりと洗い流せば、洗いは完了です。


3.専用の洗浄剤を使って除菌する
これは必須ではありませんが、マウスピース専用の洗浄剤を使って除菌しておけば、長期間保管してもニオイやカビが発生しにくくなります。
洗浄剤には顆粒・錠剤・泡など様々なタイプのものがありますが、しっかりと除菌したいときは浸けおきタイプを使用しましょう。


4.よく乾燥したのち保管する
洗浄後は、カビが生えないようしっかりと乾燥させてください。装置は熱に弱いため、天日干しなどは厳禁です。
乾いたことを確認したのち、清潔なケースや袋に入れて保管しましょう。冷暗所で保管することをおすすめします。

 


まとめ
今回は、使用済みのマウスピース装置の取扱いについて解説しました。基本的に処分して構いませんが、有事に備えて1つ前の装置は残しておきましょう。
保管するときは、カビやニオイの発生を防ぐために清潔な状態にすることが大切です。
処分する場合は、個人情報が漏れないよう装置が入っていた箱や袋の記載事項を消すことを忘れないでください。自治体の分別のルールに従って処分しましょう。

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2022.07.20更新

色素沈着


歯石が沈着しやすい人には、一体どのような特徴があるのでしょうか。
「口の中が不衛生である」と言ってしまえば終わりかもしれませんが、それ以外にも原因があります。
本記事では、唾液の特徴に着目して解説します。

 

 

1.唾液がアルカリ性である
「唾液がアルカリ性の状態は、むし歯になりにくい」
このような話を耳にしたことはありませんか?
確かにアルカリ性の唾液は、むし歯菌が放出した酸を中和させて歯の再石灰化を促します。
しかし唾液に含まれるリンやカルシウムは、一般的に歯垢と結合して歯石になります。アルカリ性の唾液はむし歯になりにくい一方で、歯石が付着しやすくなると考えてよいでしょう。

 

 

2.唾液の分泌量が多い
唾液の量が多ければ多いほど、歯の再石灰化を促進させる作用が大きくなります。その結果、歯石がつきやすくなるでしょう。

 

 

3.唾液がサラサラとしている
人によって、唾液の質は異なります。サラサラとした唾液の場合は歯を再石灰化しやすく、歯石が付着しがちになってしまうでしょう。

 

 

 

歯石が付着しやすいのはどこ?
歯石はどこについてもおかしくありませんが、付着しやすい部分というものが存在します。
広く知られているのは「下の歯の裏側」ですが、そこだけではありません。実は唾液が分泌される「唾液腺」の付近にも、沈着することが多いのです。
歯石が沈着しやすい部分を紹介しますので、歯磨きの際は重点的にブラッシングしましょう。歯垢を残さないことが重要です。

 

 

1.上の奥歯の表側
基本的に、唾液腺の近くは歯石が付着しやすい部分です。「舌下腺・顎下腺・耳下腺」の、三大唾液腺の付近は特に注意しましょう。上の奥歯の表側の付近には「耳下腺」があり、気を付けるべきポイントのひとつです。

 

 

2.下の前歯の裏側

先ほど紹介した通り、下の前歯の裏側も気を付けてほしいポイントです。近くには「舌下腺」と「顎下腺」があり、唾液の約8割がそこから分泌されています。歯磨きの際は入念に磨きましょう。

 

 

3.歯並びが乱れているところ

歯並びは人によって異なるため、一概にどこであるとは言えません。特に注意してほしいのが、歯と歯が重なっている部分です。磨き残しが生じ、歯垢が沈着しやすくなります。

 


4.歯肉からの出血が見られる部分

実は血液にも、石灰化を促す作用があります。そのため歯周病などで歯肉が出血していると、歯石がつきやすくなるので注意してください。ただし出血が原因で歯石がつくケースでは「縁下歯石」といって、歯の表面よりも歯肉の中へ沈着することが大半です。黒くて硬いという特徴があり、通常の歯石とは見た目も異なります。

 


歯石はいつ取り除くべき?

歯石はすぐ取るに越したことはありませんが、自宅で除去することは困難です。インビザラインで歯列矯正を行う場合は、次のいずれかのタイミングで取り除きましょう。

 

 

1.歯列矯正の前

一般的にインビザラインでは、装置の型取りを行う前に歯石のクリーニングを行います。歯石がついたまま型を取ると、その後の治療計画にズレが生じるためです。
ただ、中には事前の歯石クリーニングを実施しない歯科医院もあります。心配な方は、事前に確認することをおすすめします。

ただ矯正専門医院ではクリーニングを行わない歯科医院もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

 



2.歯列矯正の途中

インビザラインに限らず、歯列矯正をしている間は口腔トラブルが起こりやすくなります。そのため、定期的な歯石の除去が欠かせません。
通院のときに歯石のクリーニングを行う歯科医院が大半ですが、気になる場合は事前に確認しましょう。

 

 

3.歯列矯正完了後

長期の歯列矯正が終わると、大きな開放感に包まれます。
しかし、むし歯や歯周病を予防するためにも、定期的な通院は継続してください。半年に1回程度は、歯石の除去を含む定期検診を受けましょう。

 

 

歯石の付着を防ぐには?

歯石は基本的に、ご自身で除去できません。
日頃のセルフケアを徹底し、歯垢の段階で取り除くことが重要です。


ブラッシングのほか、必要に応じた歯間ブラシやデンタルフロスの使用をおすすめします。歯並びの乱れなどで歯が重なっているところは、重点的に磨いてください。また上の奥歯の表側、下の前歯の裏側なども歯石がつきやすい部分です。
また歯科検診についても、半年に1回程度は欠かさず受診しましょう。歯科医院で行うスケーリング(歯石除去のクリーニング)では、超音波を用いて歯石を砕き、取り除きます。自宅でのセルフケアと歯科医院でのプロケア、両方を行うことで歯石沈着は防げるでしょう。

 

 

まとめ

歯垢が石灰化したものである「歯石」の沈着は、歯垢を取り除くことで予防できます。インビザラインの途中で治療期間の延長や口腔トラブルを引き起こさないためにも、日頃の口腔ケアを丁寧に行ってください。

定期的に歯科検診を受けて、お口の中を清潔に保つことも忘れないようにしましょう。

 

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2022.07.10更新

歯石とる女性

 

近年注目されている歯列矯正の方法に「インビザライン」があります。透明のマウスピース装置を使うことで、周囲に気付かれず治療を進められるのが人気の理由です。ただインビザラインの場合、歯磨きのたびに装置を外さなければなりません。仕事や学校の方は昼間の歯磨きが難しいため、汚れが蓄積されて歯石がつきやすい状態になるでしょう。歯石の付着は歯の移動を妨げ、治療の経過や期間に影響を及ぼすリスクがあります。一体どういうことなのか、詳しく解説しましょう。

 

 

歯石とは?
歯石と似た名称をしており、混同されがちなのが「歯垢(プラーク)」です。
歯垢は歯の表面に付着する細菌のかたまりのことで、1gの歯垢には1,000億以上の細菌が生息しています。ただ、歯垢は食事をした直後に作られるわけではありません。食後4~8時間程度で作られるため、歯磨きを怠ると歯垢が付着してしまいます。歯垢は糖分を原料として酸を放出し、やがて歯の表面のエナメル質を溶かします。それが進行すると、むし歯になってしまうのです。
一方で歯石は、歯垢が石化(唾液内のカルシウムとリンに結合して石灰化)したもののことを指します。表面がザラザラとしているので、除去しなければ、さらに歯垢が付着しやすい状態となるでしょう。

 

 

歯石が付着するとどうなる?
実は歯石自体が、むし歯や歯周病を引き起こすわけではありません。歯垢に含まれる細菌は、歯石になることで死滅するためです。しかし先述したように、歯石の表面はザラザラとしています。顕微鏡で見なければわかりませんが、無数の穴やデコボコがあるのです。そこに新たな歯垢が付着すると、どんどん歯石が蓄積されます。悪循環でしかありませんよね。この状態を放置すると、結果的にむし歯や歯周病を引き起こすリスクが高まります。歯垢も歯石も、歯の健康をおびやかす恐ろしい存在なのです。

 

 

歯石の付着がインビザラインに及ぼす影響
歯石がついた状態を放っておくと、むし歯や歯周病にかかるリスクがグッと高くなります。それと同時に、歯列矯正の治療が計画通りに進まなくなってしまう可能性も挙げられます。

1つずつ掘り下げて解説しましょう。

 


歯列矯正が計画通りに進められなくなる
「歯石が付着したら、歯を磨いて取り除けばいいや」
このように、楽観的に考えていませんか?
歯石はとても硬いため、簡単なブラッシングだけでは除去できません。
そのため知らず知らずのうちに、歯列矯正における歯の移動を妨げてしまいます。特に、装置の周りに歯石が溜まった場合は危険です。


矯正用のワイヤーとブラケットスロットとの間で大きな摩擦が生じ、歯石に微弱な矯正力が負けてしまいます。
その結果、歯の移動が計画的に進まなくなり、治療期間が延びるのです。
歯周病に発展した場合はさらに危険で、歯列矯正後にブラックトライアングル(歯と歯の接触点と歯茎とに囲まれた、黒い三角形のような見た目をした隙間)が生じるリスクが高まります。せっかく歯並びを整えても、見た目の問題が生じるでしょう。

 

 


歯石沈着の恐ろしさ
最後に、歯石沈着の怖さについて解説します。
歯石自体がお口の中で悪さをすることはありませんが、放置して歯石が沈着すると色々なリスクが高まります。
これは歯石が、歯垢を始めとした細菌を蓄積させる原因になるためです。その細菌が様々な炎症性物質を産出し、歯周病となってしまいます。


歯周病は「歯の病気」だと思われがちですが、実はそれだけではありません。結果として心臓疾患や糖尿病、ガンや早産のリスクを高めることが明らかになっています。詳しく知りたい方は、日本臨床歯周病学会のホームページをご覧ください。
全身疾患を引き起こす可能性がある歯周病は、とても恐ろしい病気です。
インビザラインを行うか否かに関わらず、歯石沈着の状態にならないよう日々の口腔ケアに努めましょう。


「正しいブラッシング方法がわからない…」
「自分のお口の中の状態が不安…」


そのような方は、かかりつけの歯科医院に一度相談することをおすすめします。
また定期的な歯科検診を受けていない方は、これを機に受診する習慣をつけましょう。

 

 

歯科検診では、お口の健康状態をチェックするだけでなく、歯のクリーニングで歯垢や歯石の除去を行います。
自宅でのセルフケアと歯科医院でのプロケアで、お口の健康を維持しましょう。

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2022.06.30更新

きれいな歯

 

あなたは「歯列矯正」と聞いて、どのような装置を思い浮かべますか?
きっと多くの方が、ワイヤー型やマウスピース型の装置をイメージするはずです。
ではワイヤー矯正に、「ホワイトワイヤー」という種類があることはご存知でしょうか?目立たない見た目をしていることから、近年注目を集めている装置の一つです。
そこで今回は「ワイヤー矯正」にフォーカスし、種類や特徴について解説します。ホワイトワイヤーにも記事の中で触れていますので、気になる方はぜひ参考にしてください。

 

 

「ワイヤー矯正=第三者からの視線が気になる」という考え方はもう古い?

 

1.「歯列矯正=ワイヤー矯正」?

冒頭でも触れましたが、多くの方が「歯列矯正」と聞くと、ワイヤーを歯にかけた姿を想像すると思います。確かにこの方法は古くから使われており、老若男女を問わず広く普及しています。
「表側矯正」と「裏側矯正」とがあり、装置を表裏のどちらに装着するかで異なります。前者の方が一般的な方法といえるでしょう。
仕組みを簡単に説明すると、まず歯の1本ずつに、細い溝がついた「ブラケット」と呼ばれる装置を取り付けます。その後固定をするために、細い溝へワイヤーを通します。そして歯科医院で毎月調整を行い、歯に力を加えることで歯を移動させるのです。ちなみにブラケットは、歯科専用の接着剤で取り付けるため外れる心配がありません。安心して日常生活を送れます。

 

2.メリットとデメリット

一番のメリットは、幅広い症例に適用できるという点です。ワイヤー矯正であれば、不正歯列の程度に関係なく適用できるケースがほとんどです。
一方で難点として挙げられるのが、治療中の見た目です。特に表側矯正の場合は、ブラケットやワイヤーが歯の表面についています。治療中であることを第三者に知られてしまうため、接客業の方など気になる方はほかの方法を検討する必要があります。
ではほかに、どのような方法があるのでしょうか?
近年は半透明のマウスピース装置を用いた「インビザライン」が注目を集めていますが、装置の管理や費用面が少々ネックになる場合があります。
そこでオススメしたいのが、次に紹介する「目立たないワイヤーを使った矯正」です!

 

3.目立たない装置「ホワイトワイヤー」とは?

その名の通り、白色をした装置です。歯の白色になじみやすく、つけても目立ちにくいのが特徴です。
次のように、大きく分けて2種類のワイヤーがあります。
・もともと銀色のワイヤーを白く塗ったもの
・「ロジウム」と呼ばれる白い金属を使って特殊なコーティング(ロジウムコーディング)を施したもの
どちらも白いことに変わりはありませんが、ただ一つ「耐久性」に大きな違いがあります。


前者は硬い食べ物が当たったり歯磨きで強い刺激があったりすると、塗料が徐々に取れて銀色の部分が見えてしまいます。白い状態を維持できる期間には個人差がありますが、1週間~10日程度でワイヤーがまだらな色のワイヤーになることも少なくありません。


一方で後者のロジウムには、結婚指輪の加工などに用いられるほどの高い耐摩耗性があります。とても丈夫であるため、途中で色がはげることはまずないでしょう。
治療していることを第三者に知られたくない、あるいは接客や営業職で不特定多数の人の目に触れる機会があるといった方には、後者の「ロジウムを使ったワイヤー」が適しているでしょう。
なお塗料のハゲがもたらすのは、見た目の問題だけではありません。実は歯の移動にも、悪影響を与えることがあるのです。


通常ブラケットの溝がレールの役割を果たし、ワイヤーが溝をわずかに滑ることで歯に移動の負荷がかかります。ところが塗料が剥げ、溝に詰まってしまうとワイヤーが円滑に動かなくなります。その結果、治療が長引いたり仕上がりに影響したりするのです。
ワイヤーの種類については担当の医師から提案があると思いますが、希望がある場合は事前に伝えておきましょう。歯科医院によって取り扱う装置は異なるため、その点も事前に調べておくことが大切です。
治療におけるご自身の優先順位をリストアップし、その内容を実現できそうな歯科医院を選びましょう。

 

 

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2022.06.20更新

笑顔の女性

 

ゴムかけは、正しい咬合を手に入れるために欠かせない処置です。毎日鏡を見ても効果がなかなかわかりませんが、徐々に咬合を整えて機能性が高い状態へと向かっています。
とはいえ、早くゴムを外して理想の歯並びを手に入れたいと思うのは当然のことです。
そこで今回は、ゴムかけを早く終わらせるためのポイントについてお話しします。現在ゴムをつけて生活しており、ゴールが見えず不安に感じている方はぜひご覧ください。

 

 

装着時間を守る

ゴムかけは、基本的に患者さまご自身で行います。必要に応じて取り外しができる一方で、つけない期間が長くなると、それだけ期間が延びてしまいます。
マウスピース装置のように、食事や歯を磨くときは外していただいて結構です。しかしそれ以外の時間は、基本的につけておくようにしてください。
慣れるまでは違和感があるかもしれませんが、1~2週間程度で慣れてくるはずです。ワイヤーやマウスピース装置をつけたときも、違和感があったのは最初だけではないでしょうか?

自分に甘えてゴムをつけない時間が長くなると、それだけゴールが遠くなってしまいます。それだけでなく、期待した仕上がりを手に入れられなくなることもあるため注意してください。医師から指示された装着時間を守りましょう。
どうしても辛くなったときは、自己判断でやめるのではなく医師に相談することが大切です。

 

ルーチン化させる

特につけ始めの頃は、強い意識がなければサボったり忘れたりしがちです。普段はつけないモノですから、そうなるのも無理はありません。
だからといって、好きなときにだけ装着していては、期待した効果が見込めないでしょう。
着脱をルーチン化し、「食事が終わったらつける」「歯磨きが終わったらつける」と意識することが大切です。うっかり忘れることが多い方は、目の届くところへ置いたり家族に協力を仰いだりしましょう。慣れるまでが大変ですが、この生活を続けていれば忘れることはなくなるはずです。
ゴムをつけているかいないかでは、やはり後者の方が生活はしやすいと思います。しかし一度サボると、その後もつけないことが増えて仕上がりに影響する恐れがあります。
美しい歯並びを手に入れた自分の姿を想像し、強い意志を持って継続することが大切です。

 

期待通りの効果が得られない「根本的な原因」を探る

ゴムかけを行う期間は、人によってまちまちです。長いと1年以上かかることもあるでしょう。
そこで気にかけてほしいのが「歯が期待通りに移動しない根本的な原因」についてです。実は無意識で行っている「癖」が、歯の移動を阻害しているかもしれません。その代表的なものに「舌の癖」や「食いしばり癖」があります。例えば前歯のうしろ側に舌を押し付ける癖があると、いつまで経ってもゴムが外せないかもしれません。また食いしばり癖については、噛みしめることで歯に強い負担がかかり、移動するための力を弱くしている可能性があります。
これらは無意識で行われていることが多く、自分では意識してもなかなか気付けません。心当たりがある場合は、担当の医師に一度相談しましょう。また自覚がある場合は、意識的に改善させることが大切です。

 

 

注意点や押さえておきたいポイント

ゴムかけをルーチン化させ、長時間装着することで高い効果が見込めます。
そこで注意点や、押さえておきたいポイントを解説します。

 

正しい位置にゴムを引っかける

ゴムかけを行うにあたって、医師から装着の位置や方法の指導を受けるはずです。内容をよく理解し、正しい位置に装着しましょう。
誤ったところに長期間ゴムをかけ続けていると、ほかの歯が移動してしまい治療期間が延びる可能性があります。最短で終えるためにも、正しい位置に装着することが大切です。
途中で分からなくなった場合は、担当の医師に相談しましょう。

 

ゴムの使い捨てを徹底する

ゴムかけに用いるのは、基本的に使い捨てのゴムです。同じものを使い続けると、徐々に伸び縮みしなくなり期待した効果が得られなくなります。
交換は毎日行い、伸縮性が高い新品のゴムを使用しましょう。

 

安心してスムーズに歯並びを整えたい方へ

理想の歯並びを、1日でも早く手に入れたい。
きっとこれは、すべての患者さまが胸に抱いていることだと思います。
場合によってはゴムかけが必要となり、ゴールまでに少し時間がかかるかもしれません。しかしどのようなケースであっても、大切なのは信頼できる歯科医院で治療を行うということです。

 

仮に「安くて早い」がウリの歯科医院が近所にあったとします。もちろん安く治療できるに越したことはありませんが、その分、治療がずさんであれば思い通りの仕上がりにならない可能性があります。
これが信頼できる歯科医院であれば、たとえゴムかけを指示されても「自分にとって必要な処置なんだな」と、前向きにとらえて頑張れるのではないでしょうか。立地や費用だけでなく、カウンセリングを受けた上で慎重に歯科医院選びを行うことが大切です。

 

本記事では、ゴムかけを長引かせないためのポイントや注意点を解説しました。
ゴムかけは患者さまご自身で着脱をしなければならないため、ついサボりたくなることもあるでしょう。しかし毎日継続してつけることにより、見た目だけでなく機能面の改善が可能です。見た目ではなかなか変化がわからないケースが多いですが、強い意志を持ってゴムの装着をルーチン化しましょう。
また日頃の「癖」についても見直し、心当たりがあれば改善に向けた努力をすることが大切です。

 

 

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2022.06.10更新

綺麗な歯並び

 

あなたは「ゴムかけ」というワードを耳にしたことがありますか?
中には、初めて聞いたという方もいらっしゃるかもしれません。
矯正歯科で治療を始めると、ワイヤーやマウスピース装置をつけてしばらく経った頃に「ゴムかけ」という処置を提案される場合があります。


これは歯に「顎間ゴム(エラスティックゴム)」と呼ばれる器具を引っかけて、歯列や咬合を整える処置のことです。すべての患者さまに提案されるわけではないため、急に言われると「どうして私に必要なのだろう」不安に感じる方もいるかもしれません。また早急にゴムを外し、理想の歯並びを手に入れたいと思う方も多いはずです。


そこで本記事では、ゴムかけの目的や仕組みなどを詳しくお話しします。
また多くの方が気になっているであろう「いつ外せるのか」や、「仕事の都合などで外してもよいのか」ということに関しても記事の中で触れています。
今回の記事が、これから歯列矯正を始める予定の方や、実際にゴムかけを提案された方などの参考になれば幸いです。

 


何のために行う?
実はゴムかけは、すべての患者さまが行うわけではありません。
では一体、何のために行うのでしょうか。
目的は、大きく分けて2つです。

 


乱れた咬合の調整
目的の一つに、咬合の調整があります。
装置を使ってしばらくの間歯を動かしても、その段階ではまだ咬合が整っていません。歯列がある程度揃ったタイミングで行うことにより、乱れた咬合が正しく調整されるのです。


見た目だけでなく、機能性が高い歯並びへと導くための大切な処置といえます。
細かな咬合の不具合は、正直なところパッと見ではわかりません。しかし「見た目が整ったから大丈夫」と思っていると、うまく噛めず日常生活に支障をきたす恐れがあるでしょう。



歯を正しく動かすためのサポート
最初は歯を動かすために、装置をつけて生活してもらうのが一般的です。しかし装置は上下の歯をまとめて動かすため、微調整が困難です。そこで重要な役割を果たすのが、ゴムかけの存在です。
装置では思い通りに動きにくかった歯に対してゴムが働きかけ、移動を手助けしてくれるのです。
一つひとつの歯の状態に合わせて一部分にのみ負荷をかけ、適切な方向へ歯が動くよう導きます。
特に、重度の不正歯列の方にはゴムかけが適しています。装置だけで動かしきれない箇所をサポートし、歯並びを整えてくれるでしょう。

 


どのような種類があり、仕組みはどうなっている?
種類は主に4つで、歯並びの状態によって使い分けられます。
各種の特徴や仕組みなどを詳しく紹介します。


2級ゴム
出っ歯(上顎前突)の治療に多く用いられます。歯列をある程度整えたあとに、突出した上顎を下げる目的で使用します。
下の奥歯と上の犬歯部分とをゴムでつなぎ、上の歯が後方へ動くよう働きかけます。その結果、前歯の突出が目立ちにくくなり、見た目だけでなく咬合も整うのです。

3級ゴム
下顎が上顎よりも突出している、受け口(反対咬合)や、いわゆる「しゃくれ」の治療に多く使用されます。
下の犬歯部分と上の奥歯とをゴムでつなぎ、歯の移動をサポートします。その結果、下顎が後方へ移動して正しい咬合になるのです。上下の歯のバランスがよくなるでしょう。


クロスゴム
装置をつけてしばらく経ったあと、歯を合わせると上下の歯の側面と側面が接している状態の場合に用いられます。装置での移動は上下の歯でそれぞれ行われるため、ズレが生じることは珍しくありません。
上下の歯の表面と側面とに専用のフックを装着し、バッテンのようになる形で取り付けます。伸び縮みしやすいというゴムの性質を活かし、正しい咬合にする仕組みです。


垂直ゴム
口を閉じたときに上下の前歯がうまく合わず隙間が空いている、いわゆる開咬(オープンバイト)のときに用いられます。
これまで紹介した方法はすべて「左右の移動」を手助けしますが、このゴムは上下の移動をサポートします。
たとえ奥歯がうまく噛み合っていても、前歯が正しく噛み合わなければ歯は本来の役割を果たせません。そこでこのゴムを用い、徐々に上下へ動かしながら上下の歯の隙間を埋めていくのです。

 


外せるまでにどれくらいの期間がかかる?
ゴムかけを行うにあたって、気になるのが装着する期間ではないでしょうか。
「いつ治療が完了して、美しい歯並びを手に入れられるのか」とソワソワして、心配になる方も多いはずです。

実際のところゴムを装着する期間は、患者さまの歯並びの状態によって大きく異なります。

移動の距離が短ければ数ヶ月程度で終了する一方、距離が長かったり思い通りに移動しなかったりする場合は1年以上を要することもあります。思っていた以上に期間が長くなると、心が折れそうになることもあるでしょう。

装置をつけていた頃と違って、鏡で見ても効果がなかなか実感できない点もモチベーションが下がるポイントだと思います。

しかし期待する効果が見込めるまで、地道に続けることが大切です。歯並びが整った自分の姿をイメージしながら継続しましょう。


もし仕事やスケジュールの都合など、何らかの理由で日中にゴムを掛けられない場合は歯科医師に相談しましょう。あなたの歯列や咬合の状態に合わせて、

適切なアドバイスをしてくれるはずです。間違っても、自己判断で装着をやめてはなりません。治療期間が延びるだけでなく、仕上がりにも不具合が生じるリスクがあります。
なおゴムかけは、一定の効果が見られた時点で外すことが可能です。完全に終了するまで装着する、というわけではありませんのでご安心ください。

 


今回のお話は以上です。
仕組みや必要性はわかっていただけたでしょうか?


次回の記事では、少しでも早く外してゴールに近付くためのコツについてお話しします。
現在ゴムを装着しており、ゴールが見えず不安に感じている方はぜひご覧ください。

 

 

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

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