名駅歯科クリニック矯正歯科BLOG

2023.03.30更新

マウスピース


「アライナー」という装置を歯に取り付けて、徐々に歯を動かしていくのがマウスピース矯正です。
患者さまに合う装置をオーダーメイドできるほか、食事や口腔ケアの際は取り外して洗うことができます。さらに見た目が透明なので、至近距離で見られない限りは他人に気付かれる心配もありません。
一方で適用できない症例があるなど、懸念点があることも事実です。どのようなデメリットがあるのか、記事の中で詳しく解説します。

 


デメリットについて
まず一番の魅力は、日常生活に支障をきたさず歯列を整えられるという点です。透明で目立ちにくい外見をしており、患者さま自身で簡単に着脱できます。
一方で、次のようなデメリットも存在します。


1.適用できる症例に限りがある
ワイヤー矯正ほど幅広い症例に対応しておらず、中でも大幅な移動を必要とする症例には向いていません。無理やり行うと、期待通りの効果が得られない可能性があります。


2.健康な歯を削ることがある
場合によっては、歯を並べるためのスペースを確保する目的で、健康な歯を削らなければなりません。1ヶ所あたり0.5ミリ程度と削るのはわずかですが、健康な歯を削ることに抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。ちなみにエナメル質が削られるだけなので、痛みが生じる心配もありません。
それでも不安な方は、あらかじめ歯科医師に相談しましょう。不明点などはできるだけ解消し、ポジティブな気持ちで治療に取り組むことがポイントです。


3.治療終了後に奥歯へ不具合が生じる可能性がある
装置を取り付けると、前歯から奥歯まで歯の全体が覆われた状態になります。装置の厚みにより、奥歯の咬合が変わる可能性があるでしょう。
しかし治療中は、装置を付けているのでなかなか気付くことができません。治療が終わって初めて、奥歯に違和感を覚えるでしょう。食事の際、咀嚼のしにくさを感じる可能性もあります。


4.装置を長時間装着しなければならない
治療計画通りの結果を手に入れるためには、1日20時間以上装置を付けて生活するのが理想です。
食事とブラッシングの際以外は装着するのが基本ですが、自己管理が苦手な場合、再度取り付けることを忘れる可能性があります。
違和感が生じて付け外しを繰り返すのも、あまりよいことではありません。結果として、治療期間が長引く可能性もあります。


5.飲食のたびに着脱が必要
食事と口腔ケアの際は、毎回装置を外さなければなりません。水分補給であっても、水や白湯、無糖の炭酸水を飲むとき以外は外す必要があります。そのまま飲食をすると、口腔トラブルのリスクが高まるので気を付けましょう。


6.装置を紛失する恐れがある
取り外した装置をそのまま置き忘れて、失くしてしまうリスクも挙げられます。着脱可能=便利だと思われがちですが、そのぶん管理が必要になることを忘れないでください。
万が一紛失した場合、装置の作り直しが必要です。費用も時間もかかってしまうので、治療中の管理を徹底しましょう。最悪の場合、海外から装置が到着するまで1ヶ月程度治療がストップするかもしれません。
紛失が心配な場合は、患者さまご自身で着脱できないワイヤー矯正を行うのがよいでしょう。

 


適用できない症例とは?
歯列や咬合の状態によっては、マウスピース矯正を適用できない場合があります。
その具体例について、1つずつ説明します。


1.重度の受け口(下顎前突/反対咬合)あるいは八重歯(乱杭歯)である
まず挙げられるのが、下顎が極度に突出している受け口や、デコボコの歯列になっている八重歯です。いずれも元の位置から歯や顎骨が大幅にずれて生じるため、重度の場合は歯列矯正での改善が困難です。


2.顎のずれに明らかな左右差がある
顎変形症が原因で歯列や咬合の不具合が起こっている場合、歯列矯正では改善できない可能性が高いです。


3.上下の奥歯の咬合に異常がある
このケースも、大幅に歯を移動させなければなりません。短距離の移動に適したマウスピース矯正は、不向きの症例といえるでしょう。無理に動かそうとしても、期待通りに移動せず費用と期間だけがかさむ可能性があります。
大幅な移動が必要な症例には、ワイヤー矯正が適しています。


4.抜歯によって必要以上の空間が生じる
こちらも移動距離が関係しており、抜歯で生じた空間をマウスピース矯正で埋めることは困難です。まずはワイヤー矯正である程度歯を並べたのち、マウスピース矯正へ移行するのがベストです。
ただ歯列矯正における抜歯は、必ずしも必要であるとは限りません。自分の症例について抜歯の必要性を知りたい方は、かかりつけ医へ相談してチェックしてもらいましょう。マウスピース矯正の適用可否に関しても、事前検査や診断を受けたうえで判断してもらうことがポイントです。

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2023.03.20更新

骨

骨量が足りないときの処置とは、具体的にどのようなものでしょうか?
詳しく紹介するので、気になる方はぜひご覧ください。

 


1.処置について
事前診査によって歯槽骨の問題が発覚した場合、次のいずれかの処置で状況の改善を図ります。


1-1.ショートインプラント
インプラントの一般的なサイズは、長さが10ミリ~18ミリ、直径が3ミリ~5ミリです。しかし骨量が不足している場合、8ミリ未満のショートインプラントを用いるという方法があります。
骨の厚みや高さが足りないときはもちろん、埋入部分の近くに神経や血管が通っている場合も適用できます。


魅力1.大切な部分を傷付けずに済む
私たちの鼻の真横には「上顎洞」、下顎付近には神経や太い血管が巡る「下歯槽管」といった色々な器官があります。骨量不足の状態で治療に着手すると、このような大切な部分へダメージを与える恐れがあります。
ショートインプラントを使用することで、血管や神経、組織を傷付けるリスクを大幅に軽減できるでしょう。


魅力2.外科手術いらずで処置できる
外科手術をともなわないため、心身への負担を大幅に軽減できます。治療期間が短く済むほか、費用も最小限に留められるでしょう。


魅力3.治療法の幅が広がる
過去にインプラントを断られた経験がある方も、この方法を用いれば可能になるかもしれません。
期間や費用の問題で「外科手術が必要なら諦めざるを得ないな…」と思っていた方にも、ぜひ検討してほしい手段です。

 


1-2.骨造成(GBR法/骨再生誘導法)
骨量が足りない部分に、自家骨(患者さま自身の骨)や人工骨を配置して「メンブレン」という人工膜で覆う方法です。これにより、骨造成が促されます。
ちなみに骨造成後にインプラントを埋入する場合や、両者を同時に行うケースなどタイミングはさまざまです。
歯槽骨の状態を診ながら、歯科医師が最適なタイミングで行う運びとなるでしょう。

 


1-3.上顎洞底挙上術
次の2つの方法があり、症例によって主に使い分けられます。


① サイナスリフト
上顎洞底までの骨量が不足している場合に用いられ、骨を大幅に増やしたいときに有効です。
頬側の歯肉を切開して「窓(※)」を設け、シュナイダー膜という上顎洞粘膜を挙上してスキマを作ります。その空間へ、インプラントを直接埋め込むという方法です。
外科手術が必要ですが、執刀医が目視確認しながら処置できるという点では比較的安全です。骨が少ないケースに適しており、確実に骨を増やしたい場合におすすめです。
(※ 切開により露わになった骨へ穴をあけて、窓を作るという方法)


② ソケットリフト
厚み不足のときに用いられることが多い方法です。
インプラント埋入のための穴を上顎の骨へ設けて、人工骨補填材を注入したのち専用の器具で上顎洞底を挙上します。しばらく経過観察を行えば、6ヶ月弱で骨造成が完了するでしょう。
執刀医が患部を目視できないという点では、手術の難易度が少々高めです。しかし近年は、①の方法よりも広く普及しています。

 


2.まずはかかりつけ医に相談を!
骨量不足への処置について、理解していただけたでしょうか?
専門用語が多く、少しわかりにくかった方もいらっしゃるかもしれません。
本記事を通じて補綴治療に興味がわいた方は、かかりつけ医に一度相談してみましょう。口腔内を診察したのち、治療の可否や必要な処置についてアドバイスをしてくれるはずです。


インプラントには、審美性と機能性を両立できるという大きなメリットがあります。骨量不足などを理由に一度断られた経験がある方も、再度検討してはいかがでしょうか?
ただし外科手術が必要となると、少なからずリスクが伴います。信頼できる歯科医院を見つけて、適切な検査や診断を受けたうえで治療をスタートしましょう。
「早く治療を始めたい」という気持ちが大きいと思いますが、安全で確実な治療を行うためには欠かせないプロセスです。


もし名古屋駅付近で歯科医院をお探しの方がいらっしゃいましたら、ぜひ名駅歯科クリニック・矯正歯科へお越しください。豊富な経験と高い技術を持つ歯科医師が、責任をもって治療いたします。

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2023.03.10更新

骨

みなさんは歯を欠損したまま、普段と変わらない日常生活を送っていませんか?


「差し歯にすると食べ物がおいしく感じられなさそう」
「入れ歯の手入れが面倒だ」


といった理由で治療を避けていると、周りの健康な歯までダメにする恐れがあります。とても怖い話ですよね。
健康な歯を失うと、せっかくの楽しくておいしい食事が苦痛な時間になるかもしれません。
ストレスなく食事を楽しみたい、器具の手入れを最小限に留めたいといった方は「インプラント」をぜひ検討してください!
歯槽骨の量や厚み、高さなどが不足しているとすぐに治療できないこともありますが、段階を踏んで適切な処置を受ければ実現できる可能性が高いです。
これまで骨量の問題などで断られた経験がある方も、最新の医療を用いることで治療できるかもしれません。


詳しくは記事の中で解説しますので、補綴治療に興味をお持ちの方はぜひご覧ください。
正しい知識理解を得て、天然歯のような見た目と噛み心地を手に入れましょう!

 


1.いつからあるの?
約100年前から行われており、口腔トラブルや不慮の事故によって欠損した歯を補綴する治療の一つです。
当初は骨の補正に用いられる金属製のねじや、コバルト合金と呼ばれる注射針を骨に埋め込んでいました。しかし骨と針とがうまく結び付かず、残った健康な歯に固定して、埋入したものを保持するのがやっとでした。
この状況が変わったのは、1965年のことです。「チタンという金属が骨と結合する」という発見がなされ、新たな製品が開発されました。
これが、現在まで世界中で使用されている「インプラント」というわけです。


■具体的な治療手順
まず「インプラント」は、人体に埋め込む人工物を指すことを知っておきましょう。最近は治療法として呼ばれることが多いですが、本来は「デンタルインプラント」と呼ぶのが正式です。
何らかの事情で歯を失くした部分に、人工歯根を埋入して補綴するという治療法です。これまではブリッジや義歯(入れ歯)が広く用いられていましたが、近年はインプラントの注目度も負けていません。
ところで、みなさんは「歯」と聞いてどのような絵を思い浮かべますか?きっと大半の方が、普段目に見えている白い部分をイメージするはずです。
もちろん間違ってはいないのですが、歯茎に埋まっている歯根部分も忘れてはなりません。歯を欠損するということは、歯根も同時に失うことを意味します。
ちなみに「インプラント=差し歯」と認識している人もいるようですが、そのようなことはありません。
歯根が残っている場合は後者、丸ごと失って抜歯を余儀なくされるときに用いられるのが前者です。

 


2.骨量が不足する理由
最初に説明した通り、歯槽骨の量や厚みに問題があると、すぐに治療をスタートできない可能性があります。
では、不足するのは一体なぜでしょうか?
考えられる一番の理由は「欠損してから長い時間が経っていること」です。実際に、歯を失くした状態で放っておくと、骨が少しずつ痩せていくという研究結果が報告されています。10年放置していると、約1cmもの骨量減少につながるのだとか。
また歯周病で欠損した場合、歯周病菌の影響で骨がどんどん吸収されます。それも、すぐに治療を開始できない理由となってしまうでしょう。
加えて骨量不足は、義歯の方にも起こりやすい現象です。将来的にインプラントへ移行しようと思っている方は、注意してくださいね。義歯では普段通りの日常生活が送れていても、事前の検査や診断で問題が発覚する可能性があります。

 


3.問題があるとどうなる?
一昔前は歯槽骨に何らかの問題がある場合、インプラントは諦めざるを得ない状況でした。ちなみに長さ6ミリ~18ミリ、直径3ミリ~5ミリといった制限が設けられており、高さや幅にもそれぞれ基準があります。
しかし医療の発達により、状況は一変しています。
GBR法(骨造成)や上顎洞底挙上術、ショートインプラントなどを用いることで、治療が可能になったのです。
一体どのような処置なのか、詳しくは次の記事で紹介します。気になる方は、ぜひ引き続きご覧ください。

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2023.02.28更新

横顔の男性


突然ですがあなたは、どのような男性を「イケメン」だと考えますか?
基準は人によってさまざまですが、その一つに「横顔の美しさ」が挙げられると思います。
横顔は、自分自身が思っている以上に第三者から見られやすい部分です。異性の横顔を好む人も、実際のところ少なくありません。
そこで今回は、美しい横顔をもつ男性の共通点について詳しくお話しします。

 


横顔が美しい男性の共通点とは?

普段女性が、男性の横顔を目にする機会は意外と多いものです。
ソファに腰掛けてテレビを見ているときや車に乗っているとき、買い物中など…場合によっては、正面と同じくらい見られているかもしれませんね。
男性の横顔を好む女性は多く、近年は「横顔イケメン」というワードも普及しています。顔や鼻のライン、シュッとした横顔などに逞しさや男性らしさを感じて、好意を寄せる女性もいるでしょう。
では、美しい横顔の基準とは一体何なのでしょうか?
8つのポイントを紹介するので、いくつ該当するかチェックしてみてくださいね!


1.鼻筋

横顔のイメージを左右しうるのが、ズバリ「鼻」です。シュッとした鼻筋が、顔のラインを美しく見せてくれるでしょう。
団子鼻よりも、横に広がっていない高い鼻の方がシャープに見える傾向にあります。鼻先が尖っていればなおよいですね。眼鏡やサングラスをかけても落ちてこない人は、これに該当するかもしれません。


2.輪郭

スッキリとした輪郭も、横顔イケメンに欠かせないポイントです。顎から首にかけてのラインが、シャープであれば美しいイメージを与えられるでしょう。
スッキリとしたフェイスラインは、顔だけでなく体全体を美しく見せてくれるのも嬉しいポイントです。一方で二重顎の場合、老け顔に見えやすく体全体がどっしりとしたイメージになるでしょう。


3.眉

整った眉は、好印象の横顔に一役買ってくれます。
一方で整えられていないボサボサの眉は、なんとなくボンヤリとしたイメージになるでしょう。
さらに、眉尻がしっかりとしていれば相手に好印象を与えやすいです。あまり意識していなかった人は、これを機に整えるとよいかもしれませんね。


4.ヘアスタイル

髪型に無頓着な人は、骨格を意識してみましょう。日本人は欧米人と違って、頭部が絶壁になっている人が多い傾向にあります。
その形状をカバーできるヘアスタイルにすれば、立体感が生まれて横顔のシルエットを美しく見せられます。


5.肌や髭の状態

肌のコンディションが良好であれば、相手に清潔なイメージを与えられます。
一方で肌荒れや髭の乱れ、カミソリ負けなどがあると、あまりよいイメージにはならないでしょう。
近年は特に、長引くマスク生活によって肌が荒れがちです。必要に応じて、普段とは違ったワンランク上のスキンケアにも励んでみましょう。


6.睫毛

睫毛が長いと、目元がハッキリとした感じになり、横顔が立体的なシルエットになります。
また俯いたときに、どことなくセクシーな印象を与えられるのも嬉しいポイントです。


7.額
額に丸みがあると、立体感のある華やかな横顔になります。
一方で平らな額は、のっぺりとした印象になってしまうでしょう。


8.Eライン
横顔イケメンには、鼻と顎とを結んだラインである「Eライン」が欠かせません。
男女を問わず、横顔が整っている人の基準としてEラインを挙げる方は多いでしょう。
男性の場合は、下唇がEラインよりも顔に近い方が魅力的だと考えられています。
それをもとにいえば、口元が突出したりしゃくれたりしている場合は整っているとは言えないでしょう。
Eラインと唇との位置関係が、非常に重要になるというわけですね。

 


歯列矯正で整えるのも有効です!
不正歯列や不正咬合がEラインに影響を及ぼしている場合、歯列矯正によって改善が見込めるかもしれません。
場合によっては、非抜歯で整えられる可能性もあるでしょう。
歯科医師とよく相談して、最適な方法で改善を図ることが大切です。「横顔を美しくしたい」など、カウンセリングの段階できちんと要望を伝えましょう。


横顔を整えて相手に好印象を与えましょう!
横顔イケメンの条件は、Eラインだけではありません。
ヘアスタイルや口元の表情、引き締まったボディといった複数の要素から判断されます。
異性としてだけでなく、職場などで横顔が印象を左右していることもあるでしょう。


ちょっとした意識でイメージを変えられる場合もありますが、確実に改善を図りたいのであれば歯列矯正を行うのがベストかもしれませんね。
まずはかかりつけ医を受診し、相談してみることをおすすめします。信頼できる歯科医師のもとで、納得できる治療を受けましょう。

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2023.02.20更新

過剰歯


今回も、前回と同じテーマを取り上げてお話しします。
歯の本数が通常より多いことによる影響や、治療法などを知りたい方はぜひ参考にしてくださいね!

 


ほかの歯に影響はある?

まずは本数が多いことで、ほかの歯にどのような影響があるのかについて説明します。


永久歯の萌出を邪魔される

余分に歯が生えてくると、本来萌出すべき永久歯が正常に出てこない可能性があります。
というのも永久歯は、乳歯が抜けてから3ヶ月程度で放出するのが基本です。過剰歯があると萌出の邪魔をされて、いつまで経っても生えてこないという事態に陥るでしょう。
過剰歯が顎骨の中に埋入されたまま成長すると、健康な永久歯の根元を溶かす可能性があります。最悪の場合、永久歯の組織が損傷を受けて神経が壊死するでしょう。


不正歯列につながる

過剰歯は前歯や奥歯に萌出することが多く、その影響で歯間に隙間が生じやすくなります。永久歯が本来萌出すべきスペースが、余分な歯で圧迫されて不正歯列につながるでしょう。永久歯が真っ直ぐに生えられないためです。
このような場合、余分な歯を早急に抜いて対処する必要があります。


痛みが出る

顎骨内に埋入している過剰歯が、歯の神経を圧迫して痛みにつながる恐れがあります。さらに永久歯の神経が損傷を受けて、壊死する可能性もあります。
そのような場合、永久歯の抜歯を余儀なくされるかもしれません。
「痛み=むし歯」と断定せず、顎骨内に歯が埋まっている可能性も疑って受診することが大切です。

 


治療法
続いては、余分な歯が生えた場合の治療についてお話しします。


様子を見る
例えば逆性である場合など、ほかの歯に悪影響を及ぼしていないときはそのまま様子を見ることになります。無理に抜歯を行うと、歯茎の切開などで患者さまの心身へ負担がかかってしまうためです。
ただし通常の歯と同じように萌出し、不正歯列につながる可能性があると判断されれば抜歯が必要になるかもしれません。
また顎骨内に埋もれていても、ほかの歯の神経を圧迫している場合、話は別です。定期的な通院で、経過観察を行いましょう。


抜歯

歯が萌出するための広さは、あらかじめ決まっています。余分な歯が生えることで、歯並びが乱れると判断された場合は抜歯が必要になるでしょう。永久歯の萌出が阻害されている場合も同様です。
できるだけ早めに対処することで、影響を最小限に留められますよ。


歯列矯正

例えば過剰歯が前歯に現れると、出っ歯の原因になります。そのような場合に歯列矯正を行っても、根本的な原因が解決されない限り整った歯並びにはなりません。
余分な歯を抜いたのち、矯正治療に着手する流れとなります。
また、成人を迎えたあとに過剰歯を除去する場合も同様です。放っておいた弊害で歯並びが乱れているはずなので、余分な歯を抜歯したのち歯列矯正を行うことになるでしょう。

 


子どもは早めの対処が重要!
子どもの過剰歯は、気付いた時点で早急に対処することがポイントです。
放っておくと最悪の場合、健康な歯を抜かなければならない事態に陥ります。永久歯が生えることを邪魔されて、不正歯列につながる可能性もあるでしょう。
さらに顎骨内へ埋まったまま時間が経つと、周囲の歯の神経を圧迫して痛みや壊死につながりかねません。
お子さまが何か症状を訴えた際は、ちょっとしたことであってもかかりつけ医で診てもらうようにしましょう。レントゲン撮影などを通じて、過剰歯の存在が発覚するかもしれません。

 


まとめ
過剰歯に馴染みのない方も多いかもしれませんが、実は30~40人に1人の割合で起こる現象です。
放っておくと周囲の歯列をガタガタにしたり、神経を圧迫してダメにしたりする恐れがあります。
鏡を見るだけでは気付けないこともあるので、少しでもおかしいと感じたら歯科医院を受診しましょう。日常生活に支障をきたさないからといって、放置しないよう注意してくださいね。

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2023.02.10更新

過剰歯


通常私たちの歯は、20本の乳歯と28~32本の永久歯で構成されています。
しかし「過剰歯」といって、上記の本数よりも多く萌出するケースがまれに見られます。ハッキリとした原因はわかっていませんが、女性に比べて男性に多く現れる傾向があります。
通常よりも歯が多く萌出するのはどうしてなのか、影響や治療法などとともに解説します。過剰歯に悩んでいる方がいましたら、ぜひ参考にしてくださいね。

 


特徴および現れる頻度

特徴

先述した通り、乳歯は20本、永久歯は28~32本生えてくるのが基本です。永久歯に関しては、親知らずの萌出本数によって変わってきます。

上記以上の本数が生えてきた場合、過剰歯であると診断されます。40人に1人程度の割合で起こるので、決して珍しい現象ではありません。
乳歯よりも永久歯に見られることが多く、上顎の前歯の間や上下の親知らずに生えるケースが大半です。
では過剰歯が出現すると、どのような影響があるのでしょうか?
歯は、生えてくる本数だけでなく、そのための広さも決まっています。基本的には本来萌出すべき本数のみで埋まってしまうため、それ以上の本数が生えると周囲の歯を圧迫して不正歯列を引き起こします。


永久歯に生え変わるタイミングで気付くケースが多く「乳歯が抜けたところに、なかなか新しい歯が生えてこないなぁ」といった症例が多いです。
これは過剰歯によって、本来生えるべき永久歯が萌出できないことが原因と考えられるでしょう。
また前歯が、八の字状に大きく広がった歯列も過剰歯が関係していると考えられます。
最悪の場合、余計に萌出した歯の影響で、永久歯の根元が溶けてしまいかねません。様子を見るよりも、抜歯を提案されるケースの方が多いでしょう。

 


発生頻度

全体の3~5%に起こる現象で、男性に多く見られます。ピンと来ないかもしれませんが「30~40人に1人」と思うと、意外と多いと感じるのではないでしょうか?
上の前歯や奥歯に出現することが多く、大きさはさまざまです。
通常の歯と同じ向きで放出する「順正」と、顎骨の中に埋入されたままの「逆性」とがあることを知っておきましょう。後者はパッと見ではわからず、ほかの症状で受診した際にレントゲン撮影をして初めて気付く場合が多いです。

 


考えられる原因

原因は、今のところハッキリと解明されていません。
ですが現段階では、歯の構成に必要な「歯胚」という歯の卵が、顎骨の中で余分に作られるためだと考えられています。ただ、そのメカニズムまではわかっていないという段階です。

 

本数が多いと気付くタイミングとは?

自分自身で気付く

過剰歯は、大きいと通常の歯と変わらないサイズで放出します。その場合は、患者さま自身で気付くというケースが多いでしょう。
中でも、前歯などの目に付きやすい箇所に生えた場合はすぐ気付きがちです。一方で顎骨に埋まっている「逆性」の場合、患者さま自身で気付くのは困難だといえます。順正であっても、奥歯に萌出していると気付くのが遅くなるでしょう。
ほかにも「乳歯が抜けたまま新しい歯が生えてこない」など、少しでも異変を感じたときはかかりつけ医に相談してください。視診やレントゲン撮影を行い、過剰歯の有無や状態を確認します。


受診したタイミングで発覚する

過剰歯が小さい、あるいは歯茎に埋まったままである場合、ほかの症状で受診したタイミングで発覚するケースも少なくありません。
特に逆性は通常とは違う向きで萌出することから、顎骨へ埋入されたまま生えてこない可能性もあります。何らかの理由で歯科医院を受診した際、レントゲンを撮影して初めて発覚するでしょう。
しばらく経っても永久歯が生えてこない、歯列が極端に悪化した場合も例外ではありません。少しでも違和感があれば、早めに歯科医院を受診しましょう。


名駅歯科クリニック・矯正歯科でも相談を承っていますので、何かお困りの方はぜひ一度ご来院ください。

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2023.01.30更新

インプラント歯磨き
補綴治療の一つである「インプラント」は、外科手術を必要とします。
これまで手術をした経験がない方にとっては、非常に不安が大きいのではないでしょうか?
術後は口の中を衛生的に保つことが何より大切ですが、ほかにも注意すべきポイントがいくつかあります。
一体どのような点に気を付けて過ごせばよいのか、記事の中で詳しくお話しします。


適切な口腔ケアの方法とは?
術後の数日間は、インプラントを埋め込んだところが炎症を起こしたり痛んだりします。場合によっては出血を起こし、気持ち悪いと感じる方もいらっしゃるはずです。
そのような場合は口をゆすぎたくなるものですが、出血時のうがいは傷の治癒を遅らせてしまうためNGです。
例えば包丁で指をケガしたときに、長時間流水をしていると血液が流れ続けますよね。口の中も、それと同じ原理です。
うがいは極力控え、ブラッシングも必要最低限に留めましょう。
原則として、手術後はそのまま帰宅していただきます。帰宅後に出血を起こし、いつまで経っても止まらない場合は、ガーゼや脱脂綿を噛んで圧迫止血を行いましょう。それでも流血し続ける場合は、かかりつけ医へすぐ連絡してください。
何日間も出血が続くと、非常に不安になると思います。しかし口の中にできた傷は、比較的早めに治癒するので安心してください。
無理をせず、数日間は安静に生活することが大切なポイントです。

 


患部以外は普段通りブラッシングしてもよい?
インプラントを埋め込んだところ以外は、手術当日も今まで通りケアして構いません。手術による傷口から細菌を侵入させないためには、入念なブラッシングで清潔な口腔状態をキープすることが大切です。
ただ傷口に歯ブラシが当たったり、口をゆすぐときに強い刺激を与えたりすると出血する可能性があります。
不安なときは歯ブラシの使用を必要最低限にし、デンタルフロスや歯間ブラシなどを活用しましょう。
どの口腔ケアアイテムを使えばよいか迷ったときは、かかりつけ医へ相談してください。歯科医院で取り扱っている製品はもちろん、ドラッグストアなどで市販されている製品を使用しても構いません。
また歯磨き粉については、ジェル状の製品を使うのがおすすめです。大きな粒子を含む製品を用いると、傷口に入り込んで炎症を起こす可能性があるため気を付けましょう。判断に困ったときは、デンタルリンスを使用するのもおすすめです。

 


仮歯が入っている場合
前歯など人の目に触れやすい部分を補綴する際は、手術当日に仮歯を入れることになります。歯ブラシが傷口へ触れないよう注意しながら、やさしく丁寧に磨きましょう。
仮歯は歯科用プラスチック(レジン)でできており、プラークが付着しやすいという難点を抱えています。ブラッシングを怠ると口腔トラブルにつながる恐れがあるので、欠かさず口腔ケアを行いましょう。インプラントの周りが細菌に蝕まれると、最悪の場合、埋め込んだインプラントが脱落してしまいます。

 


上部構造を取り付けたあと
「上部構造」と呼ばれる被せ物は、セラミックでできている場合が大半です。飲食物による着色やプラークの付着を起こしにくいため、口腔トラブルにつながる心配はそれほどありません。
ですが日々の口腔ケアを怠ると、歯茎と被せ物の間にプラークが蓄積して炎症を起こします。細菌が繁殖し、インプラント周囲炎になるリスクがグッと高まるでしょう。

 


口腔トラブルを予防しましょう!
インプラント周囲炎に罹患すると、せっかく埋め込んだインプラントを失う羽目になってしまいます。日頃から口の中を清潔にし、口腔トラブルの発生を予防しましょう。
自宅での日々の口腔ケアはもちろん、数ヶ月に1回は歯科医院で定期検診を受けるのが理想です。
毎日欠かさず歯を磨いていても、歯列の問題や磨き方のクセなどによって、磨き残しはどうしても生じるためです。歯科医院では専用の器具を用いて歯科クリーニングを行うので、歯ブラシでは落としきれない汚れや歯石も容易に除去できます。
セルフケアとプロケアで、大切なインプラントを長持ちさせましょう。
そのほかの注意点
手術日から数日間は、熱いお風呂や長風呂に入ってはいけません。血管が拡張して血流がよくなると、血が止まりにくい状態になるためです。ぬるめの湯船にサッと浸かるか、シャワーで済ませるのがよいでしょう。
食事制限はありませんが、香辛料やアルコールなどはしばらく控えるようにしてくださいね。
まとめ
インプラント手術は日帰りで行われるケースがほとんどで、自宅に帰ってからの自己管理が非常に重要です。
かかりつけ医の指示を守って、傷口がある程度落ち着くまでは安静に過ごしましょう。
せっかく埋入したインプラントを、細菌感染などによってダメにしないよう気を付けてください。少しでも長持ちさせられるよう、残存歯とともに適切なケアを行いましょう。

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2023.01.20更新

歯並び


前回に引き続き、TCHを始めとした悪習癖について説明します。
適切な対処法を理解し、良好な健康状態をキープしましょう!

 

4.有効な対策はある?
TCHの可能性が疑われる場合、とにかく意識的にやめることが重要です。
ただ、毎日仕事や家事育児に追われる生活をしていると、悪習癖の改善に長時間意識を向けることは難しいですよね。
そのような場合は、次に紹介する2つの方法を試してみましょう!


① 日頃から「歯を離す」ということを意識して生活する。
② 「歯を合わせない!」などと書いたメモを、職場のデスクやキッチン周りなどの目につきやすい場所へ貼っておく。


最初は違和感があるかもしれませんが、慣れれば無意識下でもTCHが起こらなくなります。
また②に関しては、スマホの待ち受け画面にするのも有効かもしれませんね。
症状が改善されれば、顎関節症や歯周炎の罹患リスクが低下します。また、詰め物や被せ物が破損しなくなるほか、知覚過敏や歯根破折、口内炎や滑舌の悪化なども予防できるでしょう。
改善には2~3ヶ月程度要する場合が多いですが、得られるメリットの方が大きいはずです。
「何ヶ月頑張っても治らないんだけど…」
という方は、日頃のストレスが関係しているかもしれません。ご自身が打ち込める趣味などを見つけて、ストレスをうまく発散してくださいね。

 


5.具体的な方法
TCHに心当たりがある方は、早めに歯科医院を受診しましょう。
先述した通り、まずは意識的に歯を離して生活することから始まります。並行して、室内や職場などにメモを貼ることも忘れないでくださいね。
具体的な方法は次の通りです。


①「歯を合わせない!」「リラックスする」などと書いたメモを準備する。
⇒職場など、人の目に触れることを避けたい場合はシールなどを貼って目印(思い出すキッカケ)にするのもOK

②メモや目印を、1日のうち長時間滞在している10ヶ所以上の場所に貼り付ける

③ 日々の生活の中でメモや目印を目にしたら、上下の歯がくっついていないかセルフチェックする。


間違っても、歯を離すために唇や頬粘膜を噛んではなりません。
また無理に離そうとすると、普段使用していない筋肉に痛みが生じる恐れがあります。慣れるまでは「メモや目印を見たら意識する」程度に留め、時間をかけてじっくりと改善に取り組みましょう。
メモや目印を貼れない場面では、スマホの待ち受け画面やアラーム機能をうまく活用してくださいね。
また見慣れてきて効果が薄まってきたと感じたら、メモの色や貼り付ける場所を変えるのも有効な方法ですよ。
一度身についた癖は、簡単に抜けるものではありません。改善に数ヶ月はかかることを理解し、根気強く取り組みましょう。
しばらく続けていると、メモがなくとも正常な状態をキープできるようになります。
すでに症状が出ている場合は、早めに歯科医院を受診して適切な対処を受けてくださいね。専用のマウスピースなどを用いて、ダメージを軽減することを優先させましょう。

 


ストレスを溜めないことも重要なポイントです!
TCHを始めとする悪習癖が起こる理由の一つに、ストレスの蓄積が挙げられます。
不正咬合が原因の場合は歯列矯正などによって改善が見込めますが、ストレスの場合はそれが困難です。
できるだけストレスを溜めないよう注意しながら、楽しみを見つけて適度に発散させましょう。
日頃から、歯の健康を意識して生活するようにしてくださいね。

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2023.01.10更新

はならび


ふとした瞬間、あなたの上下の歯は口の中で離れていますか?それともくっついていますか?
無意識下で上下の歯が接触しているのは、実はあまりよい状態とはいえません。
これには「TCH」という呼び方があり、その名の通り「無意識下で上下の歯をくっつける癖」という意味を持ちます。
数ミリ程度は離れているのが正常で、くっついている状態が長時間続くと歯や歯槽骨へ大きなダメージを与えます。今日明日でトラブルが起こることはありませんが、いずれ口腔内や全身に悪影響を及ぼすでしょう。


もう1つ注意してほしいのが「日頃の悪習癖」です。噛みしめや歯ぎしりが行われている場合、ダメージはグッと増大します。ただこれらの悪習癖は、物事に集中しているときや就寝中など、無意識下で行われることが大半です。
「自分は大丈夫!」と思っていても、知らないうちに歯へ負担をかけているかもしれません。とても恐ろしい話ですよね。


1.無意識に歯を合わせていませんか?

無意識下で行われる悪習癖が、歯によい影響を与えないことは一般的に広く知られている話です。
放っておくと顎関節や身体の筋肉など、全身へ悪影響を及ぼすでしょう。
軽度の場合は見過ごされることが多いですが、場合によっては専用のマウスピースなどを用いた対処が必要になることもあります。
あなたは物事に集中しているときやふとした瞬間に、歯を合わせていませんか?
ピンとこない人は、読書中やスマホを操作しているときの様子を思い返してみてください。
何か心当たりがある場合、歯や身体にダメージを与えているかもしれませんよ。


2.TCHが及ぼす影響とは?
TCHが生じやすいのは、何かに集中しているときや緊張しているときなどです。
原則として食事や会話のとき以外に、上下の歯が触れることはありません。歯を長時間合わせていると、歯だけでなく顎関節や筋肉にも大きなダメージを与えます。
放置していると、最悪の場合は歯を失うかもしれません。ヒビが入って欠けたり割れたりしたというケースは、決して少なくないのです。
また歯周組織や歯茎の周りで炎症が起こり、知覚過敏や歯周病を起こす可能性もあります。顎関節や筋肉が疲弊し、顎関節症や全身症状(頭痛、耳鳴りやめまいなど)が生じるリスクもあるでしょう。
TCHによるダメージは比較的軽度ですが、放っておくと悪習癖にエスカレートする可能性もあります。まずは自身の癖について自覚し、適切な方法で対処しましょう。


3.TCHによる具体的な症状とは?
まず挙げられるのが、歯の痛みや違和感、知覚過敏といったお口周りのトラブルです。
症状が進行すると、顎関節の痛みや口の開けにくさ、頭痛や肩こりなどの頭部周りの症状が次第に出てくるでしょう。
また上下の歯が触れると唾液の分泌が促され、飲み込む回数が増加します。その結果、ゲップやオナラなどが増えることもあるようです。
さらにTCHが発端となり、悪習癖が生じたり悪化したりするケースも報告されています。心当たりがある場合は、放置せず早めに診てもらうことが大切です。

 


初期症状を理解して早急に対策を!
TCHを始めとした悪習癖の難点は、なんといっても患者さま本人が自覚しにくいということです。
症状として知覚過敏が出るケースが多いので、
「最近冷たいものや歯ブラシの毛が歯に染みるなあ」
と感じた場合は悪習癖を疑いましょう。
また詰め物が頻繁に取れたり、朝起きたときに顎やその周りの筋肉がこわばったりするのも一つのサインです。
ピンとこない人は、意識的に上下の歯を離してみてください。なんとなく違和感がある場合、無意識下でTCHが起こっている可能性が高いといえるでしょう。
今回はここまでです!
次回も同じテーマを取り上げて、予防法を中心に解説します。

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

2022.12.30更新

きれいな口元

長期にわたる治療を終えて一段落。
装置を外したあとも、後戻り防止や経過観察のために定期的な通院が必要です。
そこで来院された際、
「なんだか、治療前と比べて鼻の下が伸びた気がする」
とおっしゃる患者さまがいらっしゃいます。
歯の矯正をキッカケに、その部分が伸び縮みすることはあるのでしょうか。
今回は口元以外の見た目にも変化が起こる理由について、記事の中で詳しく解説します。審美性を高める目的で治療を検討している方は、今後の参考にしてもらえると幸いです。

 

 


上顎前突の方は、治療後に「人中が縮んだ」と感じやすい


そもそも人中とは?
人中に明確な定義はなく、鼻の下のくぼみのことをいう場合もあれば、全体を指す場合もあります。
「短い人ほど顔が整っている」と考えられることが多く、若者の間では人中短縮メイクが流行しています。また短い人ほど、実年齢より若く見られやすい傾向にあるようです。
一方で人中が長いと、面長に見えやすくなります。
「口元が強調されて不正歯列が目立ちやすい」
「顔が間延びした印象になりコンプレックスに感じる」
と感じる方も少なくありません。

 


歯の矯正がキッカケで人中が伸縮するのは本当?
矯正治療は、あくまで歯を動かすための手段です。それが直に作用して、人中が直に伸び縮みすることはまずないでしょう。
しかし患者さまの中には「治療の前後で長さが変わった気がする」という方がいらっしゃいます。
実は、こういった方々には「上顎前突(出っ歯)の治療をした」という共通点があります。
これは一体、どういうことでしょうか。

 


治療で短縮されたと感じるのはどうして?
上顎前突を治して鼻の下が短くなったと感じるのは、口を閉じてもその部分が引っ張られなくなるためです。
というのも、唇に力を入れないと閉口できない不正歯列の場合、口を閉じかけると上の前歯に皮膚が引っ張られます。その結果、鼻の下が長くなった感じになるのです。
治療を経て前歯が正しい位置に引っ込むと、自然に口を閉じられるようになります。引っ張られることがなくなり、短縮した印象になるでしょう。

 

 


非抜歯の治療によって伸びたと感じる場合も…
これはレアケースですが、抜歯が必要であるにも関わらず抜かないで治療をすると、人中が伸びた印象になることがあります。

 


その感じるのはなぜ?
これは口元が前側へ若干突出することによって、閉口すると唇も張ってしまうためです。先述した、上顎前突の状態に近いといってよいでしょう。
不正歯列の主な原因の一つに「歯が並ぶための空間不足」があります。例えば9人分の席しかないところに、10人が座ろうとするとギュウギュウになってしまいますよね。どう頑張っても、キレイには並べられないはずです。
つまり非抜歯による矯正治療は、スペース不足の状態でムリヤリ進めることを意味します(もともと不要の場合を除く)。
歯列が外へ広がって前歯がずれ、口元が突出した感じになるでしょう。

 

 


抜歯で口元はどうなる?
歯を抜くこと自体が、口元の雰囲気を直接左右することは基本的にありません。可能性があるとすれば、笑顔になったときの口角と歯までの空間の変化です。
第一小臼歯(4番の歯)を抜くことで、この部分がやや広がった印象になることがあります。
いずれかの歯を1本抜く場合、きっと多くの症例で4番が選ばれるはずです。1~3番は固有の形をしている反面、4~5番は片方を失っても機能が落ちる可能性は低いためです。
ただ4番は、笑うと口角からわずかにのぞく位置にあります。抜歯によって、見た目の印象が少し変わるかもしれません。

 


口角と歯の間に空間があると気になる?
受け取り方には個人差があるため、一概にどうこうとは言えません。しかし当院でこれまで担当してきた患者さまの反応を聞いている限り、特に影響はないと思われます。
美しい歯列を表現する際に「ハリウッドスマイル」という言葉が使われることがあります。その条件となるのが「口角から歯までの空間がほぼないこと」ですが、私個人の考えでは、多少の隙間があった方が自然でよいと思っています。
「ハリウッドスマイルが美しい」という感覚を持った人ばかりではないことを、念頭に置いておきましょう。

 

 


歯列矯正で顔全体の均衡を整えませんか?
顔の印象を大きく左右するのは顔の下半分、つまり鼻の下から顎までの部分だという説があります。
つまり「口元が顔全体の雰囲気を変えうる」といっても過言ではありません。
今回は「人中」にフォーカスしてお話ししていますが、歯科医師は顔の下半分だけでなく全体的なことを考慮した上で治療計画を立てています。
治療の結果、口元や顔の印象がどう変化するのかをシミュレーションした上で治療の方針を決定しているわけです。
その内容は、患者さまにも事前に知っておいていただく必要があります。不明点があれば治療前のカウンセリングで解消し、治療の目的や治療に期待できる効果を理解した上で治療を検討しましょう。

 


名駅歯科クリニック・矯正歯科では、患者さま一人ひとりに合った最適な治療方法をご提案しています。
当院はJR名古屋桜通り口より徒歩2分と、アクセス良好です。公共交通機関を利用して、遠方から来られている患者さまも多数いらっしゃいます。
基本的に19時まで診療を行っていますので、仕事や学校の帰りに通院していただくことも可能です。
口元にコンプレックスをお持ちの方や歯列矯正を検討中の方は、ぜひ一度当院へお越しください。豊富な経験を有した歯科医師が、責任を持って治療します。

投稿者: 名駅歯科クリニック・矯正歯科

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